大学・短期大学などの高等教育機関の誘致を進めていた本市に、県内の有力学校法人常葉学園の短期大学が進出することになりました。
高等教育機関の設置は、教育・文化水準の向上はもとより、有能な人材を育成する場として大きな期待があります。また、文化都市づくりを進める本市にとって、短大のもたらす効果ははかり知れないものがあります。
今回は、65年4月に開校予定の常葉学園短大の誘致経過や概要などをお知らせします。
念願の高等教育機関
富士市には、大学等がなく、また、隣接する地域にも少ないなど、高等教育機関の設置が早くから望まれていました。
市がこれまで行った委託調査やアンケート調査でも、大学・短期大学を早急に設置してほしいとの声が多く寄せられました。
市は、21世紀に向けた知的環境と文化性の高い都市づくりに大学・短大の設置は緊急かつ不可欠な課題と位置づけ、誘致活動を続けてきました。
期待される波及効果
大学・短期大学等の高等教育機関の設置は、単に教育文化の向上だけでなく、地域への波及効果がいろいろと期待されます。
例えば、・大学による公開講座の開催や生涯学習の場の充実と促進・人材の育成と確保・消費生活の量的拡大と質的充実(消費の活性化)・国際交流の促進や文化環境の充実による都市イメージの向上などが期待されます。
厳しい状況での誘致
大学等を設置する場合には国、地方公共団体、学校法人のいずれかが設置する方法があります。ところが、18歳人口が昭和67年をピークに減少期を迎えるため、国・県による大学の設置計画は皆無で、学校法人の新設認可も非常に厳しい状況にあります。
そこで、本市は実現可能な方法として既設学校法人による大学等の誘致を基本方針として進めてきました。
また、4年制大学の誘致は、進出大学の意向や文部省との折衝、広大な用地の確保等、相当長期にわたる取り組みを余儀なくされるため、市独自で誘致する当面の目標を短期大学と定め、誘致活動を展開してきました。
このような経緯の中で、本市に進出が決まったのが県内の有力学校法人常葉学園です。5月21日に渡辺富士市長と木宮和彦常葉学園理事長との間で(仮称)常葉学園富士短期大学の設置に関する基本協定を締結しました。
富士ハイツの北側に建設
(仮称)常薬学園富士短期大学の開校予定は65年4月。富士ハイツの北側、大渕字高山の約3万3,000平方メートルに建設されます。
市はこの敷地を常葉学園に無償譲渡し、短大の校舎に係る建築費用のうち1億円を補助します。
学科は商学科と国際教養学科で定員は両学科とも1学年100人です。
学長には現慶応義塾大学法学部教授の利光三津夫氏が予定されており、教員は学長を含めた教授12人、助教授3人、講師7人の計22人でスタートします。
建物は鉄筋コンクリート3階建の校舎棟と、2階建の学生館、図書館棟ができます。
常葉学園は、市民に開かれた公開講座を開設し、市民・企業の開催する研修に協力するなどの運営を図ります。