富士文化財愛好会の皆さん
地域に古くから伝わる石造物や祭りは、先人の残した貴重な文化です。今回、紹介する富士文化財愛好会の皆さんは、ともすれば失われがちな文化を守り、育てるために地道な活動を続けています。
富士文化財愛好会は、昭和59年市民大学歴史講座の修了生を中心に結成されました。現在、会員は38人。40代から80代まで、歴史が好きで文化財の大切さを十分理解している皆さんが集まっています。定例会を月2回持ち、市内の文化的行事にも参加しています。
活動は発足以来これまで、委託による道祖神や道しるべなどの石造物調査を中心に行ってきました。結果は「富士市の石造文化財」という冊子にまとめられ、既に第3集を出しています。
また、現在は61年・62年度で毘沙門さんから地域のお地蔵さんまで祭りを調査し、「祭礼調査報告書」をまとめています。一口に祭りといってもその数は多く、メンバーを小学校区単位に分けて、情報集めから始めました。
会長の渡辺脩さん(鷹岡本町1)は「地域の小さな祭りや講は、事前にわからないものが多く大変でした。花火が鳴ると花火屋さんに電話して聞いたりしてね」と苦労を語ります。
地道で根気のいるこの調査に皆さんを駆り立てるのは、文化財の持つロマン性。富士文化財愛好会はロマンチストの集まりといえるかもしれません。
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( 写真説明 ) 文化財を守り育てる会見の皆さん