この一年、市内各地区でさまざまな新しい行事や運動が展開されてきました。これらの活動は、地区住民を中心にその地区の特色を生かしたもので、それぞれに個性があります。
“富士山をシンボルにみどりあふれる文化と産業のまち”づくりを目指して、富士市は21世紀へと針路をとりました。このかじ取りに大きな役割を果たしたのが『まちづくり会議』でした。そして、その精神を具体化するために昨年から『まちづくり推進会議』が発足しました。市民による市民のためのまちづくりのスタートです。この一年を振り返って、活動を始めた各地区の様子を紹介します。
「地区像」を求めて
すべての市民が平和で明るい、健康で文化的な生活ができる地域社会の実現が、まちづくりの目標です。この目標により近づくため、ふじ21世紀プランには、地区ごとにその地域に密着したテーマ(地区像)を定めました。
例えば今泉、原田地区では富士山の悠久の恵みである伏流水・湧水を取り上げ、また岩松・吉永地区は文化財や史跡の保護と活用をテーマに文教地区を目指します。富士市の2大ショッピング街である吉原・富士駅北地区は商業の振興を中心にまちづくりを進めます。
自然と人との調和をテーマに、田子浦・元吉原地区は海岸線の松林を、須津・浮島地区は、愛鷹山・浮島沼の保全と利用を進めようとしています。また、新興住宅地である広見・富士見台地区は新しい伝統を築こうと、ふるさと基盤づくりを取り上げています。
まちづくりはイメージづくりから
市内にいくつかの里が出現したのを御存知ですか、ほたるの里(原田・吉永)あやめの里(浮島)鈴虫・松虫の里(元吉原)福祉の里(大渕)ききょうの里(富士岡)梅の里(天間)コスモスの里(岩松)などです。まちづくりは、イメージづくりからと地区の中でそれぞれにふさわしい呼称が考えられたのです。
それでは実際の活動を紹介しましょう。吉原地区では、同地区を流れる小潤井川両岸の100本を超す桜の木に注目し、「桜祭り」を計画しました。今年はいつになく天候が不順で、結局4月9日にやり直しとなりましたが、これからは桜の新名所として住民に親しまれることでしょう。
岩松地区はかりがね堤をまちづくりに生かし後世に伝えようと、かりがね堤駅伝大会を計画。多くの住民の参加を得ました。また、ことしから地区住民の手で『かりがね祭り』を行う計画もあります。
泉地区は湧水に注目。清流をもう一度住民の手にと『たらい流し祭り』を行い好評を博しました。
子供たちの田宿川を見る目が変わってきましたとお母さん。
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( 写真説明 ) 小潤井川の桜祭り(吉原地区)
( 写真説明 ) 1万歩ふる里コース(伝法)
( 写真説明 ) 善徳寺祭り(今泉)
( 写真説明 ) たらい流し祭り(今泉)
( 写真説明 ) かりがね祭り(岩松)
明日の人づくり
あいさつ運動・健康づくりは、ほとんどの地区で活動計画に盛り込まれています。健康で、隣近所とのふれあいを大切にすることがまちづくりの基本だと言えるでしょう。富士南地区では、こうした地道な活動にスポットを当て、広く地域内に知らしめることで住民意識の高揚を図っています。善行運動の表彰がそれです。伝法地区ではあいさつ運動のポスターを全戸に配布しました。
まちづくりはまだ産声(うぶごえ)を上げたばかりです。息の長い活動が必要です。ことしも各地区でアイデアに富んだ特色のある活動が展開されることでしょう。
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( 写真説明 ) 善行表彰(富士南)