富士市 FUJI CITY Official Site

富士市
広報ふじ > 昭和63年 > 昭和63年2月5日 473号 > 【広報ふじ昭和63年】ふるさとの昔話

【広報ふじ昭和63年】ふるさとの昔話

神様と天狗(てんぐ)の山づくり

山づくりの競争

 昔、上野(こうづけ)の国(群馬県)の山に悪いてんぐが住んでいて、人々に悪さをしていました。
 ある日、神々が集まって相談しました。それは、駿河(するが)の国と甲斐(かい)の国の境(さかい)へ高い山をつくって、そこから四方を見渡し、悪い神や、いたずらてんぐを取り締まろうという相談です。
 それを聞いたてんぐは、
「おおい、そこに集まっている神様たち、わしと山づくりの競争をしないか。おれが勝ったら、おまえさんがたがつくった山は、壊してしまうというのはどうだ」と声をかけました。神々は、苦笑いしながら答えました。
「よろしい。だが、おまえが負けたらここから追っ払ってしまうぞ」
「ようし、一晩のうちにお前たちの山より高いのをつくるぞ」
と、てんぐは地を掘り始めました。
大きな仁王さんのような体(からだ)で運ぶ土は、もっこいっぱいです。負けるもんかと、どんどん高くしました。


逃げたてんぐ

 てんぐは、悠々と掘っていましたが、ふと気がつくと東の空が白白としています。あわてたてんぐは、もっこから手がはずれて、土をこほしてしまいました。
「しまった!」
と思いながら、振り向いてみると、明々と夜が明けた平野の向こうに、神々がつくった山が、高く高く、天へ届きそうにそびえています。
それを見たてんぐは、どこかへ逃けていってしまいました。
 そのときてんぐがつくった山を榛名山(はるなさん)、土を取ってへこんだ所を榛名瑚、もっこをこほした所を一畚(ひともっこ)山というようになりました。
 神々がつくった山が富士山で、土は近江(おうみ)の国(滋賀県)から運びました。土を取った後の大さなくばみが、琵琶湖になったのだといいます。
添付ファイル
※PDFを初めてご覧になる方は、ソフト(Adobe Reader)のダウンロードが必要です。
「Get Adobe Reader」のボタンをクリックし、説明に従いAdobe Readerをダウンロードして下さい。
Get Adobe Reader
広報広聴課 (市庁舎8階北側)
電話:0545-55-2700 ファクス:0545-51-1456
メールアドレス:kouhou@div.city.fuji.shizuoka.jp
〒417-8601 静岡県富士市永田町1丁目100番地 電話 0545-51-0123 ファクス 0545-51-1456
E-mail kouhou@div.city.fuji.shizuoka.jp