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【広報ふじ昭和62年】一向に減らない悪質商法

“いらない”と断わる勇気と見抜く智恵を

 生活安全課では、市民の皆さんからさまざまな相談を受け付けていますが、悪質な訪問販売による消費生活相談は、ふえる一方です。
 悪質な訪問販売とは、一見善良そうに近づいて、「もうかりますよ」「得をしますよ」とあなたの心につけ入り、巧みなはなしや強引な態度で契約させるものです。
 商品の購入は慎重に、万一「おかしいな」と思ったらすぐ生活安全課に相談しましょう。

もうかりますよ こんな話にご用心

増加する一方の訪問販売

 豊田商事の金地金の現物まがい商法は、私たちの記憶に新しい事件でした。
 また、お年寄りを狙い「このつぼを買えば幸せになれる」と法外な値段でつぼを売りつけた霊感商法なども世間を騒がせました。
 これだけ悪徳商法の存在が社会に広まり、関心が高まってもその数は一向に減っていません。市民の皆さんから生活安全課へ寄せられた消費生活相談の件数は別表のように増加する一方です。
 昭和61年度は相談件数が419件にも達しました。その内、訪問販売に関するものは300件で、71%以上を占めています。
 被害にあっても、そのまま泣き寝入ってしまった人もかなりあり、相談に訪れる人は被害者のほんの一部と見られています。
 一説によれば、経済活動が盛んで、融通できるお金を持っている人の多い富士市は、訪問販売の絶好な市場と言われます。


商法が巧妙に

 悪質な訪問販売による被害が減らない原因の一つに、業者の商法が巧妙になってきていることが挙げられます。実際、富士市に最近あった消火器と中学生用学習教材の事例から、手口を紹介します。

事例1 消火器の販売(富士見台地区)
- 図表あり -

事例2 学習教材の販売(吉永地区)
 ある日、吉永地区にお住まいのAさんの家に中学生用の模擬テストが配られました。中学1年生の息子さんは、力を試す目的で解答し、配布の際言われたとおり、300円を添えて郵送しました。
 約1か月後の夜8時ごろ、採点した答案とデータなどを持って中年の女性が訪れました。進学のことなどに詳しく、Aさんは「300円のテストにしては親切だ」と思いました。
 しかし、話が長くなり不審に思ったので、1時間ぐらいしてから何か目的があるのか尋ねてみました。すると学習教材の販売だと言い、セールスが始まりました。
 教材はファックスなどニューメディアを使って指導するとのことで、息子さんが興味を示し、時刻も11時になっていたので、Aさんは購入契約をしてしまいました。現金価格は45万3,000円でした。
 5日後、教材が届くと経済的理由から家族の反対にあい、翌日、Aさんは会社へ解約の電話を入れましたが通じませんでした。
 以後毎日電話しましたが、通じたのは契約してから10日後で、解約は拒否されました。
 その後、生活安全課に相談に来ましたが、無条件で解約できるクーリングオフの期間(7日間)を過ぎていたため、解約の交渉は難行しています。


あの手この手の商法

 そのほか市内で見られる商法をいくつか紹介します。

◇SF商法
 SFとは新製品普及会の頭文字をとったものです。食料品などを配りながら講習会をするとの名目で人を集め、閉めきった部屋で熱狂的な雰囲気を盛り上げて商品を買わせるので、催眠商法ともいわれています。磁気マットや健康食品、羽毛布団などが売られます。

◇ホームパーティー商法
 あるお宅の奥さんに頼み込み、そこを会場にして、ホームパーティーを開くことにし、顔見知りの人を集めてもらいます。表向きはアンケートへの協力ということですが、結局は商品の販売会になります。ステンレスなべ、下着、健康食品などがあり、知り合い同士ということもあって、義理や見栄で買ってしまうことがあります。

◇士(さむらい)(資格)商法
 何でもかんでも資格時代。経営法律、建築関係など一般に公的資格と紛らわしい○○士の資格取得を勧めるダイレクトメールが送付され、そのあと電話で勧誘の追いうちがかかります。適当に話を聞いていただけなのに、後日受講代金を請求されたり、話が違うので契約を取り消そうと思っても返金してくれないなどの例があります。


解約は7日以内に

 訪問販売などによる商品の解約は、クーリングオフという制度を利用できます。これは、一たん取り交わした契約を解約したいとき、契約した日を含めて7日間以内(日数は商品により異なり、契約書に赤字で説明してあります)に書面で断われば、無条件で解約できる制度です。変だな!と思ったらすぐ生活安全課へ相談をしてください。内線 2241

被害にあわないための十か条

1、何の用!しっかり聞こう身分と用件
2、おかしいと思ったときはドア開けず
3、もうかります そんな言葉にご用心
4、あやしいぞ 人のフトコロ聞く業者
5、勇気出し、はっきり言おう いりません
6、しつこいな そんな相手は110番
7、迷ったら一人で迷わずまず相談
8、サインして あとでしまった もう遅い
9、契約は してもお金は後払い
10、あなたです 自分の財産守るのは

不安になったらすぐ相談を

消費生活相談員 池田かつさん(中里町1)
- 写真あり -

 最近の訪問販売の特徴は、手口が実に巧妙なことです。悪質な業者は、人の裏をかいたり、誠実そうなそぶりはお手の物です。ですから、まず業者を寄せつけないことが第一です。
 また、購入する羽目になっても、すぐ印は押さず、現金払いもしないことが大切です。いずれにしても、不安になったらすぐ相談してください。

- 図表あり -
( 図表説明 ) 消費生活相談商品ワースト5

- 写真あり -
( 写真説明 ) 訪問販売で多い商品
添付ファイル
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広報広聴課 (市庁舎8階北側)
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