私たちが日常接している芝生は、コウライシバ、ノシバなどの暖地型芝が一般的です。この暖地型芝は日本の気候風土に適し管理が比較的楽な反面、冬は低温で葉が枯れてしまい、せっかくの庭の景観も寂しいものになります。冬の間も緑の芝生があれば、と思われている方も多いのではないでしょうか。
そこで知っていただきたいのが寒地型芝によるオーバーシード法です。これは、暖地型芝で造成された芝生の上に、秋に寒地型芝の種をまき、発芽・成長した寒地型芝で秋から春まで緑を保つ方法です。生育適期の異なる2種類の芝を利用して一年中緑を絶やさない便利な方法だといえます。
【作業手順】寒地型芝は、鮮やかな緑色で耐寒性があり踏圧にも強い西洋芝系のベントグラス、ペレニアルライグラス等の種類を選びます。種まきの適期は9月下旬から10月上旬です。まず、べ−スの暖地型芝を短めに刈り、枯れかすを取り除き、種を1平方メートルあたり25〜30グラムの割りで均等にまきます。まきムラを少なくするため、あらかじめ種を土に混ぜて増量しておくとよいでしょう。種をまき終えたら、目土(めつち)を5ミリほどの厚さで入れます。水やりは、最初の10日間は1日に1〜2回、その後は随時、目の細かいノズルを使って散水します。種まき後、3〜5日で発芽します。
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