急性中耳炎は、風邪の流行する冬に次いで、夏の水泳シーズンに多くみられます。よく耳に水が入ったから中耳炎を起こすと言います。しかし、健康な人が中耳炎を起こす場合は、耳からではなく、水泳中に鼻から水と一緒に吸い込まれた菌が、のどと鼓膜の内側(中耳)をつなぐ管(耳管)を通って、中耳に炎症を起こすことが多いようです。
乳幼児の耳管は、大人に比べて太く短いうえ、角度が水平に近いため、口や鼻の粘膜で増えた菌が中耳腔まで浸入しやすく、風邪の後に乳幼児が中耳炎を起上しやすいのはこのためです。赤ちゃんの機嫌が悪く、よくぐずる時は、中耳炎の可能性があります。風邪をひいた時に、鼻のかみ方が悪いと中耳炎を起こすことがあります。鼻をかむ時は一度に両方の鼻を強くかませないで、片方づつかませることが大切です。また、風邪をひいている時は、泳がないことです。このような時は菌が鼻にたくさん住みついているので、水と一緒に吸い込んで中耳炎を起こし易いからです。急性から進行して鼓膜に穴があいている慢性中耳炎の場合は、耳栓をして泳ぐことが必要です。
シン出性中耳炎は、耳管が何かの原因で詰ったために、中耳の気圧調節が困難になったり、粘液などがたまったりして聞こえが意くなる病気です。耳鼻科での聴力検査をすすめます。 〈富士市医師会〉