私たちの長年の夢であった、新幹線富士駅(仮称)新設事業は、昭和59年10月承認決定されて以来、用地取得や列車の発着線工事など順調に進行してきました。6月には、いよいよ駅舎の建築が始まり、来年3月の開駅に向け、急ピッチで工事は進んでいます。これから駅の全容が徐々にあらわれてきますが、駅舎や都市側施設はいたるところから富士山を見ることができ、明るくスマートで清潔感あふれる駅となります。今回は都市側施設を中心に駅舎の施設を紹介します。
着々と進む工事
威勢のよいつち音が響く、川成島地先の新幹線新駅工事現場。
工事の進行状況は極めて順調で、土木工事はほとんど終了し、現在はプラットホームの上家工事や駅舎の建築工事に入っています。
年内には駅の外観がおおむね完成の見込みで、来年3月中には予定通り「こだま号」が富士に発着します。
現在の新駅設置総事業費の予定額は、132億4,400万円。
内訳は、国・県等からの補助金が32億8,900万円、地元負担額が99億5,500万円です。
みんなが広く利用できます
新幹線新駅の大きな特徴は、「美しい富士山を世界の人々に」を基本テーマとした近代的でスマートな駅舎の外観と、合わせて建てられる都市側施設です。
都市側施設には、総合観光案内所、やすらぎの広場、産業や観光・物産の展示場、レストラン、喫茶コーナーなどが設けられます。これらの施設は、単に乗り降りする人たちだけでなく、市民の皆さんに広く活用していただき、市のイメージアップをはかる機能も備えています。
文化性がありなごめる駅
それでは皆さんを一足早く新幹線新駅にご案内いたしましょう。(左上の図を参照しながら読んでください。)
新幹線富士駅のホームに立った皆さんは、だれもがまず雄大な富士山に目を奪われます。
「やっぱり富士山は日本一の山ね」などという話し声を響かせながら階段を降り、改札口を抜けると、目の前に大きな陶板の壁画。富士に伝わるかぐや姫、源平の富士川合戦、富士の巻き狩りなどを巻き絵風にした作品です。
自由通路(コンコース)を北に足を向けると、左側に総合観光案内所があります。富士山を中心とした観光・宿泊・イベントなどの案内は、すべてここでわかります。
各種の情報を仕入れたところで一休み。旅の疲れをいやす絶好の場所が、やすらぎの広場です。
水をモチーフにした流れる池や、21世紀の富士市の姿をあらわしたステンドグラスもあり、待ち合わせなどにも利用できます。やすらぎの広場の奥には、喫茶コーナーも設けられています。
富士市を紹介するコーナーも設置
やすらぎの広場で一服しながら周りを見渡すと、南側に各種の展示場があります。ここは、富士市の産業・観光・物産を展示するコーナーです。民間企業のピーアールの場としても利用でき、産業等の常設展示場、観光・物産などの紹介に利用していただける企画展示場があります。
富士山を眺めながら食事を楽しむ
エスカレーターを使い二階に上がると、レストラン、特別サロン、多目的ギャラリーがあります。
レストランは208平方メートルの広さがあり、富士山を眺めながら、ゆったりと食事が楽しめます。
豪華な内装の特別サロンは、外部からの来賓客の送迎やもてなしを初め、特別会議、商談、転勤やハネムーンのセレモニーなどに利用できます。
また、多目的ギャラリーは、いろいろな催し事に対応できる広場です。市民の皆さんが絵画展・写真展・書道展・華道展などのギャラリーとして使用することもできます。
新駅開業までいよいよあと8か月。私たちは間もなくこれらの施設を現実のものとして利用することができるのです。