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【広報ふじ昭和62年】ふるさとの昔話

柚木のお天白(てっぱく)さん

 駅北地区の柚木(ゆのき)に天白(てっぱく)神社があります。地元の人たちは「おてっぱくさん」と呼んで、毎年9月にはお祭りをやっています。


天からお米が

 昔はどこの家でも、おじいさんやおばあさん、子供も手伝って家中みんなで農業をやっていました。
 ある年、柚木村の初穂田(はつほだ)という田んぼに、とっても大きな米粒が3粒、天から降ってきました。米粒の大きさは、長さ一寸八分といいますから今でいう約6センチメートルになります。
村の人たちは
「不思議なことがあるもんだ」
「きっと、この土地はお米の神様と関係があるに違いない」と米粒の一つを祭って、天白神社と名付けた社(やしろ)を建てたそうです。
 そして残りの米粒は、米之宮(よねのみや)浅間神社と出雲(いずも)大社に奉納したということです。


天白池(てっぱくいけ)や古井戸も

 天白神社は、柚木公会堂の隣りにあります。今はなくなりましたが、昔は境内に天白池という名の大きな池や古井戸もありました。柚木村の人たちは、この井戸をつい最近まで生活用水として利用していたそうです。
 今は、天白神社だけが残り、池があったあたりは家が建ち、道ができてしまっています。


飛行機松(ひこうきまつ)

 また、昭和7年まで境内には、飛行機松と呼ばれた松の木がありました。柚木の渡辺一見さんと佐野正三さんは、この松について「飛行機松っていうのは、飛行機のように枝が広がっていて大きな松の木だったんで、そう呼ばれてたんだよ。大人が4人がかりでないと手が回らないほど太い松だったね。なんでも、富士山の3合目からも見えたそうたよ」 と話してくれました。

- 写真あり -
( 写真説明 ) 写真左から佐野さん、渡辺さん
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