はしかは、麻疹ウィルスによる大変感染力の強い伝染病です。以前は春から夏にかけて流行しましたが、最近は暖房等生活環境の変化によるのか、一年中見られるようになりました。生後9か月から4歳くらいまでの子供がかかりやすく、一度かかれば免疫ができて、一生かかりません。うつってから症状が出るまでは、約10日間です。初めは、発熱、咳、鼻水、目やに等の風邪(かぜ)のような症状があり、2〜3日のうちに口の中に、ユプリック斑と呼ばれる白い斑点(はんてん)ができてきます。これが、「はしか」の決め手になります。熱は一度下がりますが、また再び上がり、高熱となります。それと同時に赤い発疹があらわれ全身に広がります。その後3〜4日発疹と高熱が続いて下熱し、発疹も徐々に消えますが、発疹の跡は褐色の色素沈着がしばらく残ります。はしかは余病を起こしやすい病気です。最も多いのは肺炎で、そのほか中耳炎、麻疹脳炎等があります。熱が高い間は適当に熱冷ましを使います。気持ちがよければ、頭を氷まくらで冷やしてあげるのもよいと思います。
「熱は下げない方がよい」とか「発疹は出した方がよい」とか言って、布団蒸しにして寝かせているようなバカげたことはしないでください。水分は、なるべく与えてください。はしかの子に接しても、4〜5日以内に、ガンマー・グロブリンを注射すると発病を予防したり、軽く済ませられます。完全な予防には、ワクチンの接種しかありません。1歳になったら、必ずワクチンの接種を受けてください。 〈富士市医師会〉