ことしは暖冬のため、各地でウメの早咲き記録が塗りかえられたというニュースが聞かれました。
山野ではもう多くの草木が花芽をふくらませていますが、野生のツツジもまもなく春の妖精のような清純で華やかな花を咲かせます。
ツツジの属名をRhododendronといいますが、これは「バラ色の木」という意味で、木全体を鮮かな花で飾る特徴をよく表しています。
富士市には、特産種アシタカツツジや我が国の分布の東限となるモチツツジ等、10
種類余りが自生しています。
野生ツツジは、その自生地で観賞するのが一番でしょうが、庭木としてもすばらしいものです。庭に植える場合は、開花期を考慮していろいろな種類を植えれば早春から初夏まで花を楽しむことができます。
まず、3月下旬からミツバツツジの仲間が咲き始め、次いで4月になるとアシタカツツジ、アカヤシオなどが、5月にはヤマツツジ、オンツツジ、ジングウツツジ、モチツツジ、アマギツツジが咲くというように。
また、野生ツツジは花のほかにも新緑、紅葉、そして落葉後の枯れ木立と変化に富み、庭に四季を演出してくれる格好の材料ともなります。
庭植えの要点としては、ツツジ類は酸性の土地を好んで生育するので、植えつけ時にピートモスなどの有機質を多量に施すとよいでしょう。植えつけは10月・11月と3月・4月がよく、北風の当たらない場所が適します。
市では今年、岩本山公園内に野生ツツジの仲間を20種900本余り植栽しました。今月下旬から開花します。