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【広報ふじ昭和61年】ふるさとの昔話

曽比奈のおしゃもっさん

 曽比奈では以前、12月15日になると子供たちが、「おしゃもっさん」に集まり、赤飯を食べました。この赤飯を食べると風邪を引かないと言われていたからです。


みんなで食べたおもっこ

 大渕・曽比奈の寂しい道端に「おしゃもっさん」と呼ばれている小さなほこらがあります。
 みんなのお父さんやお母さんが子供のころのことです。12月15日の夕方になると「みんなおいで、おしゃもっさんのおもっこだよ。」と呼ぶおじさんの声に、どこの子も急いでおしゃもっさんのほこらの前に集まりました。
 町内会のおじさんが、お供えしてあった赤飯を少しずつ、子供たちに分けてくれるのでした。
 子供たちは分けてもらった赤飯を大事においしく食べました。


子供の風邪の神様

 おしゃもっさんは子供の風邪の神様だからです。おしゃもっさんからいただいた赤飯を食べるとことし一年、風邪を引かないし、ひいてもすぐ治ると言われていたのです。でも、このごろは「おもっこだよ、みんなおいで。」と呼びかけても、もらいに来る子がなくなったので、いつとはなしに、おもっこも供えなくなり、おまつりもやらなくなってしまいました。
 けれども、「どうか、この子が風邪を引きませんように。」と、お祈りする人が今もいるらしく、時時、十円玉が二つ三つほこらの前に供えられています。


おもっこを復活したい

 八王子本町の服部源一郎さん(67歳)は、「おしゃもっさんはずっと昔からあった神さんです。20年ぐらい途絶えていたおもっこ配りを、2、3三年前やってみたけど子供が集まりませんでした。いつか復活させたいね。」と語ってくれました。

- 写真あり -
( 写真説明 ) おしゃもっさん
( 写真説明 ) 服部さん
添付ファイル
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