ヒューヒューゼーゼーと、苦しそうに肩で息をするぜんそくの発作は、ぜんそくになったことのない人にはわからないくらい、不安で苦しいものです。この発作は、気管支の筋肉のけいれんや粘膜のむくみ、粘っこいたんの分泌増加等によって気道が狭くなり、空気が通りにくくなるからなのです。これらの原因は、成人では30〜40%がアレルギーに関係し、小児では90%がアレルギーと言われています。
アレルギーの原因になるもの(アレルゲン)には、家庭内でのチリが一番多く、中でも家ダニの死骸が大部分を占めています。また、草木の花粉、鳥の羽、犬猫の毛、卵、牛乳等の食物も関係する場合があります。さらに、ぜんそく発作の引き金としては、気候の変動、大気汚染による化学物質、飲酒、喫煙、ストレス等も関係します。
遺伝性のアレルギー体質は、簡単には改善されませんが、幸いに小児の場合、中学校2、3年生くらいになれば、自然に治ることが多く、それまではできるだけ、アレルゲンから遠ざかるように努めることも必要です。また、水泳や乾布摩擦等で体力や皮膚を鍛え、医師から与えられた薬は指示どおりに服用し、中途半端な治療は避けてください。発作時は、腹式呼吸をすることにより、できるだけ息を吐き出すように努めることも大切です。このほかにアレルギーを軽減する方法として、脱感作療法があります。いずれにしても、内科・小児科医に相談しながら規則正しい生活をして、ぜんそく発作の呼吸困難や不安を克服しましょう。 〈富士市医師会〉