以前は物が見にくいときは、近視と考えられていましたが、最近は学校検診で視力検査を重視するようになり、種々の屈折異常(近視、遠視、乱視及びこれらの混合型)が検出されるようになりました。視力が悪いのは近視のためと考えて、処置が遅れたこともありますが、最近は遠視の強い場合も検出されるようになり、適切な処置がとられるようになりました。
乱視または乱視が合併している場合には、単なる近視や遠視だけのときよりも目の疲れがひどくなり、時には肩凝りや頭痛を伴うこともあります。このようなとき、多くの人は内科を受診しますが、内科的原因がなく、眼科に回されることもよくあります。目を細めないと物がはっきり見えないときには何らかの屈折異常があると考えるべきでしょう。
老眼も屈折異常と思われていますが老眼は眼球の中にある凸レンズ(水唱体)が、遠くや近くをみるときに薄くなったり、厚くなったりする力(調節力)が弱まり、30cm以内の点にピントが合わない状態で、遠視と同じ凸レンズで矯正しますが、調節力の低下による屈折の障害です。
人は多くの知識をほとんどが目と耳から脳に伝えて記録させますが、視力の低下は難聴と同じと考えてもらいたいものです。子供が難聴のときは、親はその克服に懸命に努力されますが、視力低下のときは、眼鏡をかけさせたくないなどと言われる親が多いのに驚きます。必ず眼鏡かコンタクトレンズで矯正し、多くの知識と社会的常識を身につけさせて育ててあげましょう。 〈富士市医師会〉