富士市 FUJI CITY Official Site

富士市
広報ふじ > 昭和61年 > 昭和61年10月5日 443号 > 【広報ふじ昭和61年】ふるさとの昔話

【広報ふじ昭和61年】ふるさとの昔話

中丸の弁天さん

 田子浦地区の中丸には、弁天さんをまつった小さな社(やしろ)があります。弁天さんは漁師(りょうし)の多かった昔、大切な海の守り神でした。
 今回は中丸の弁天さんのお話です。


漁師が大漁(たいりょう)を願う

 昔、中丸には海に出て魚をとる漁師が大勢住んでいました。
 ある年、魚がほんの少ししかとれなくなり、人々は暮らしに困ってしまいました。困った漁師たちは、
 「なんとかして、魚がたくさんとれる方法はないかな。」「そうだ、海の神様にお願いしよう。」「それがいい、そうしよう。」
 と相談して、中丸の小さな丘に弁天さんをまつりました。漁師たちは毎日お供えものをして、一生懸命お祈りしました。
 幾日かたって、たくさんの魚がとれるようになり、村の人々は大喜びしました。
 「弁天さんのおかげだ」と、お礼のお参りもしました。


静まった大波

 あるとき、ものすごい台風が来て、大波が家のすぐ近くまで押し寄せて来ました。村の人々は、夢中で弁天さんの丘へ逃げました。
 真っ暗な海は、まるで魔物が暴れ狂っているようで、人々は恐ろしさに震えていました。そのとき、
 「弁天さん、助けてください。」と、だれかが言いました。みんなも声を合わせてお願いしました。
 すると急に、荒れ狂っていた大波は静まり、みんな助かりました。


不幸なことがあるとお参り

 弁天さんの近くに住む貫名仁治さん(70歳)は「弁天さんは江戸時代からまつられるようになったと聞いています。今じゃこの辺も漁師が少なくなって、何か不幸なことがあると、お参りする人が多いね。」と語ってくれました。

- 写真あり -
( 写真説明 ) 中丸の弁天さん
( 写真説明 ) 貫名仁治さん
添付ファイル
※PDFを初めてご覧になる方は、ソフト(Adobe Reader)のダウンロードが必要です。
「Get Adobe Reader」のボタンをクリックし、説明に従いAdobe Readerをダウンロードして下さい。
Get Adobe Reader
広報広聴課 (市庁舎8階北側)
電話:0545-55-2700 ファクス:0545-51-1456
メールアドレス:kouhou@div.city.fuji.shizuoka.jp
〒417-8601 静岡県富士市永田町1丁目100番地 電話 0545-51-0123 ファクス 0545-51-1456
E-mail kouhou@div.city.fuji.shizuoka.jp