リコリス(ヒガンバナの仲間)の品種については、昭和59年9月のこのコーナーで紹介しましたが、今回は新しい品種の作出について述べてみましょう。
リコリスの品種改良の歴史は浅く、まだ一部の趣味家が取り組み始めたばかりです。それゆえ、交配により新しい花を作出するにはたいへん興味深い材料で、時代の先端をいく花づくりといえます。
【交配親の選定】
リコリスの仲間には交配しても種のできないものがあります。私たちになじみの深いヒガンバナも残念ながら種が実りません。
そこで、次に挙げるような種のできやすい品種を交配親としてそろえることが先ず必要になります。
○キツネノカミソリ(橙色花)
○ショウキラン(黄色花)
○スプレンゲリ(桃色花、弁先青色)
これらの品種は最近では容易に入手でき、これまでの交配結果をみると変化に富んだすばらしい花ができるようです。
【採種と実生】
異なる品種間の花粉を相互に雌しべの柱頭につけるだけの簡単な操作で、交配後1か月余りで黒色の丸い種子が実ります。果皮が黄変して裂け始めたら採種し、すぐ鉢まきします。
翌春までに芽が出そろい、夏になると地上部は枯れますが、地中には小さな球根ができていて、晩秋になると再びかわいい葉が出てきます。開花までには数年を要します。
*さらに詳しくは、みどりの課までお問い合わせください。内線 2418