結核は、肺に多い病気ですが、結核菌の感染により体のどの部分にも起こる慢性伝染病です。かつては、死亡順位も高く、不治の病と恐れられていましたが、ストレプトマイシン等の新しい薬が発見され、また集団検診による早期発見、治療の徹底により死亡率も著しく減りました。しかし、完全になくなったわけでなく、富士市だけでも毎年新しい患者が、100人以上も報告されています。
結核を予防するためには、BCGによる予防接種が大切です。現在は4歳までと、小学校1年・中学校1年の時に、それぞれツベルクリン反応(以下ツ反)を行い、陰性の人にはBCGを接種しています。BCGを受けた人は、翌年もう一度ツ反を行い、陰性ならば再度BCGを接種します。ツ反陽性の人は“結核菌に感染したことがある”ということですが、この中で発病する人は数%で、そのほとんどが、ツ反に陽転後1年以内といわれています。また初感染の際、発病する率は子供に多いと考えられているため、小さい時にツ反が強陽性の場合には、発病を防ぐ目的で化学療法が行われています。結核菌に感染しても、発病する人はわずかですが、結核は初期には症状のないことが多く、早期発見にはX線検査が大切です。年に一度の集団検診は必ず受けてください。
結核は予防できる病気で、必ず治る病気です。BCGによる予防接種・集団検診による早期発見・治療により世の中から結核をなくしましょう。 〈富士市医師会〉