不眠を訴える人たちにも、いろいろなタイプがあります。なかなか眠りにつけないものや、夜中に何回も目が覚めるもの、朝早く目が覚めるものなどで、若年から中年にかけては、なかなか眠りに入れないという人が多く、老年では、夜中や早朝に目が覚めて困るという人が多いようです。神経質な人は、睡眠が不安定で、ちょっとしたことで目が覚めやすく、実際以上に強く眠れないことを訴える傾向があります。また、“眠らないと困る、眠らないと困る”と眠りにつくことを強く意識するため、不安と緊張が高まり、ますます眠れなくなる、という悪循環におちいることもしばしばあります。
不眠の原因としては、騒音などの環境条件によるもの、身体の病気によるもの、神経症やうつ病などの精神疾患によるもの、老人性のもの、アルコールや薬物による興奮・中毒によるものなどがあります。
これらの不眠対策としては、まず、規則正しい睡眠時間を確保し、寝る時間、起きる時間を守り、生活のリズムを乱さないことです。次に、睡眠を妨害するもの、例えば、寝室の気温・明るさ、騒音など、また、職場や家庭でのストレス源などをチェックし、精神の安定をはかり、改善できるものから解決していくことが大切です。これらの対策にもかかわらず眠れない場合は、睡眠剤などを安易に使用することなく、早目に専門医に相談しましょう。 〈富士市医師会〉