【広報ふじ昭和61年】第14回 世論調査結果から
婦人の社会的地位は少し向上
ことし3月に実施した「第14回世論調査」の結果がまとまりましたので、そのあらましをお知らせします。
今回の調査は「婦人の社会参加と高齢化社会」をテーマに、市民が婦人についてどのように感じているか、また、高齢化社会を迎えるに当たり、どのように考えているかを把握し、今後の市政運営の基礎資料とするために実施しました。
なお、調査にご協力いただいた回答者のみなさんに厚くお礼申し上げます。
市内在住の満20歳から、80歳までの男女3,000人を住民基本台帳から無作為抽出して行いました。
調査対象者 3,000人
回収票 1,575人
回収率 52.5%
各設問のパーセントは、少数点以下第2位を四捨五入してありますので100パーセントにならないことがあります。
また、調査の結果はおおよその傾向としてお読みください。
婦人の社会参加について
質問1、あなたは「国連婦人の10年」をご存じでしたか。
「目的や意義についても知っていた」が17.5%、「あったことは知っていた」が47.6%で、何らかの形で知っていたと答えた人は全体で65.1%でした。
男女別でみると「目的や意義についても知っていた」と答えた割合は、男性の方が高い率を示しました。
- 図表あり -
質問2、現在、日本の社会で男女平等になっていると思いますか。
市民の73.0%が男女平等になっていないと答えています。
男女別にみると「なっていない」と答えた男性は66.9%、女性は78.4%と、女性が10%以上高い率を示し、男女の考え方の違いがはっきり出ています。
職業別の中で、農林漁業者は「平等になっている」と答えた人が32.6%あり、他の職業より高い率を示しました。
- 図表あり -
補助質問 平等になっていないと思われるのはどんなところですか。
平等になっていない分野は「職場の中」が48.2%で第1位、以下「家庭」「地域」の順になっています。
男女別でも第1位は「職場の中」で変わらないが「家庭」と答えた率は、男性18.0%、女性29.1%と、ここでも男女の考え方に大きな差があらわれています。
年代別については、割合の変化は多少ありましたが、全体の傾向としては「職場」「家庭」「地域」の順でした。
- 図表あり -
質問3 最近、婦人の社会的地位が向上してきたと思いますか。
「向上してきた」36.1%、「少し向上してきた」49.8%を合わせると85.9%であり、大部分の人が婦人の社会的地位は向上してきたと考えています。
また、質問2の男女平等については、73%の人が「平等になっていない」としながらも、婦人の社会的地位については徐々に向上していることが実感としてあることが推察されます。
男女別にみると「向上してきた」が男性45.5%、女性28.2% と男性の方が婦人の地位向上を強く感じています。これに「少し向上してきた」を加えると男女の差はなくなっています。
- 図表あり -
補助質問 どのようなことに変化がみられると感じていますか。
「女性で社会的に活動する人の増」が60.3%で、全体の6割を超えており、次いで「働く婦人の増」が27.3%を占め、婦人の地位向上については、この2つで約9割を占めています。
- 図表あり -
質問4 女性の地位向上をはかるのに、特にどのようなことが必要だと思いますか。
「女性の自覚」と「男性の理解」がほぼ同じ率でした。
男女別にみると、男性は「女性の自覚」26.2%、「男性の理解」20.3%、女性は「男性の理解」25.0%、「女性の自覚」20.4%と逆の結果であり、お互いに相手に期待していることが推察できます。
- 図表あり -
質問5 婦人がずっと働き続けたいと思っても、働き続けられない障害があると思いますか。
全体の8割以上の人が婦人の就労については「障害がある」と答えています。「障害がない」と答えている人は11.7%にすぎませんでした。
男女別にみると「障害がない」と答えている男性が16.2%に対して、女性はその半数の8.1%であり、ここでも男女間の考え方に違いが出ています。
- 図表あり -
補助質問 その障害は何だと思いますか。
約半数の人が「出産後の子育て」と答え、第1位でした。次いで「家族の病気や老人の世話」が38%となっています。
年代別にみると年齢が高くなるに従って「出産後の子育て」が低率になり、「家族の病気や老人の世話」が高率になってくる傾向が出ており、40代からは「家族の病気や老人の世話」が第1位になっています。
- 図表あり -
質問6 婦人が自治会活動、ボランティア活動などへの積極的な参加についてあなたはどう思いますか。
「積極的に参加」が39.2%、「余裕をもって」が49.2%、合わせて88.4%が参加すべきとの意見であり、男女別でもほとんど同じ考え方でした。
地区別にみると「積極的に参加」の率が高かったのは、富士見台地区52.1%、岩松地区50%、天間地区44.9%の順でした。逆に低かったのは、富士駅北地区27%、吉永地区32.8%、元吉原地区32.9%の順でした。
- 図表あり -
質問7 夫婦の役割分担について、あなたはどうお考えですか。
「夫は外、妻は家庭」が31.1%。歴史的背景のもとでの役割分担である男は仕事、女は家庭と考えているのは約3人に1人の割合しかなく、夫婦の役割分担の変化として注目されます。
年齢別にみると「夫は外、妻は家庭」と考えているのは20代の20.9%から60代の38.8%まで、おおよそ年代ごとに高い率となっています。
職業別にみると、会社員は「夫婦とも外、家庭もともに」が第1位になっており、他の職業の人と第1位、2位が逆転しています。
- 図表あり -
質問8 女性の社会的地位向上をはかるために行政にどのようなことをしてほしいですか。
「学習機会の充実」が19.4%で第1位、以下「地域活動の促進」18.9%、「審議会などへの参加」12.2%の順でした。
上位の率が10%台で固まってしまっていることから、意見が多様化していることが考えられる一方、「わからない」が15%あり、どう対応してほしいのかを決めかねていることも推察できます。
- 図表あり -
高齢化社会について
将来の心配は「病気」のことと「年金」
質問9 高齢化社会になったとき、問題になるとしたらどのようなことだと思いますか。
高齢化社会になったときの問題点は「病気」が27.7%で第1位、次いで「公的年金」の27%が第2位で、第1位との差はほとんどありませんでした。
年代別にみると、若い人は「公的年金」に高い率を示し、高齢者は「病気」のことに高い率を示しています。40代までは「公的年金」が第1位であり、50代から「病気」が第1位になっています。
特に、30代では「生きがい」が19.8%で第2位を占め、「病気」は18.3%で第3位になっていました。
- 図表あり -
質問10 老後になって子供と同居したいですか、それとも別居したいですか。
「同居したい」が63.9%、「別居したい」が13.6%で、市民の3人に2人が同居したいと答えています。
昭和59年の高齢化社会に関するアンケートと比較しても「同居したい」と答えた人の割合はほとんど変わりませんでした。
地区別にみると「同居したい」の第1位は神戸地区の90%で、一番低かったのは富士見台地区の37.5%と大きな差が出ました。
男女別にみると男性(67%)の方が女性(61.3%)より「同居したい」と思っている人が多くいました。
- 図表あり -
補助質問 同居したい理由は何ですか。
「子供や孫と楽しい生活がしたい」と答えた人が58.2%と最も多く「一緒に住むのは当然」が25.2%、「病気のとき不安」10.1%と続き、この3つで93.5%を占め、精神的安定を求めている人が多いことがうかがえます。
昭和59年の調査と比較すると、義務的な「一緒に住むのは当然」が減少し「楽しい生活がしたい」が増加しています。
- 図表あり -
補助質問 別居したい理由は何ですか。
別居したい理由の第1位、「お互いに気楽だから」が80.8%を占め、ほとんどこのことだけで別居をしたいと考えているように思われます。
この傾向は男女別でも年代別でもあまり変化がないが、20代の答えの中で「子供がいやがると思う」が11.1%を示し、他の年代と異なった割合を示しました。
- 図表あり -
質問11 老後の生活資金として、国民年金、厚生年金などの公的年金にどのくらい頼りたいですか。
「大部分は年金で」が45.5%、「生活費の全部」が24.6%、「年金が半分」が18%であり、この3つで88.1%を占めています。
このことから約9割が年金を頼りにしたいと思っていることになり、年金制度の重要性が改めて考えさせられます。
職業別でみると「年金以外の収入が主」「年金には全く頼らない」の合計が、自営業、農林漁業では約20%であるのに対して、会社員は4.3%で4分の1にとどまっていました。
- 図表あり -
- 写真あり -
( 写真説明 ) 点字の翻訳ボランティアに励む婦人たち
添付ファイル
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