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【広報ふじ昭和61年】ふるさとの昔話

岩本の妙法天狗

 岩本実相寺の山門をくぐると、左側に妙法堂と呼ばれる小さなお堂があります。
 今回は、この妙法堂に伝わるお話を岩本上町の影山茂夫さん(61歳)に教えていただきました。


伝わっているいろいろな話

 この妙法堂には、昔からたくさんの言い伝えがあります。
 子供が生まれたら赤飯をすのこに盛って供えます。そして、白紙に赤い梅を染めてその紙を御堂の横にあるさるすべりの木に結ぶとその赤ちゃんは健康になるといわれています。
 春の節句のころは、成人した者が幼いころ、祝ったひな人形を持ち寄り御堂に供えて成長を感謝しました。
 また、疱瘡(ほうそう)神様とも呼ばれ、天然痘(てんねんとう)の蔓延(まんえん)したときにその治療を祈願したともいわれます。


一時に千里を走る天狗

 いろいろな話が伝わっていますが、妙法堂は妙心と法心という兄弟の天狗をまつっています。この天狗は妙法二神といれれ、足と手の神様で、一時に千里(約4,000キロメートル)走る力をもっていました。足や手の病気に悩む人は祈願すると直るといれれています。


毎年4月にマラソン大会

 影山さんは、老朽化した妙法堂を地域の有志とともに昭和52年に補修しました。
 それを機会に、地域の子供たちを集めマラソン大会を始めました。
 影山さんは「子供たちが妙法天狗のご利益で足が走くなるといいね。お参りに来る人もよくいますよ」と語ってくれました。

- 写真あり -
( 写真説明 ) 妙法堂
( 写真説明 ) 影山さん
( 写真説明 ) ことしも大にぎわいのマラソン大会(4月3日)
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