【広報ふじ昭和61年】新年度予算と施政方針
21世紀に向けて新たなまちづくりへGo Go Go
一般会計 503億円
特別会計 290億2,212万円
総額 793億2,212万円
渡辺市長は、3月定例市議会で、昭和61年度に向けて施政方針演説を行いました。この中で、本年度からスタートするまちづくり「21世紀プラン」を市民の協力、参加のもとに進めていきたいと強調しました。
以下は、施政方針演説の概要と昭和61年度の予算のあらましです。
本年度の市政運営は
富士市は本年度新市制発足20周年を迎えます。
新市が発足した昭和40年代を振り返ると、日本経済は長期繁栄の時代であり、本市においては、地場産業を中心に経済活動の極めて活発な時期でした。
高生産、高賃金という高度経済成長を謳歌する中で、物は豊かになり、生活水準も急激にレベルアップしましたが、その反面、市民生活に直接影響を及ばす多くの問題が提起されました。
その一つは、水質汚濁や大気汚染に代表される公害の問題でありもう一つは、自然環境の保全と地域開発の問題でした。
その後、高度経済成長からオイルショック、低成長経済のもとにあえぐ行財政環境の悪化、また生活環境の変化や価値観の多様化等急激な、時代の変遷の中で試行錯誤のときもありましたが22万市民の英知とエネルギー、行政努力が相まって、いくつかの困難な課題を克服しました。
そして、21世紀に向ける快適で潤いのある明るく住みよいまちづくりの基盤は、着々と整ってきました。しかし、人口の高齢化高度情報化及び国際化など経済社会の変化のなかで、21世紀に向けて活力ある都市づくりはどうあるべきか……都市づくりの道のりは、なお尽きることはありません。現在、国において第四次全国総合開発計画の策定作業が進められていますが、この四全総の中間報告では、人口を初め、政治、経済文化、情報などの各動向を分析した上で、将来展望に立つ国土政策は「共生・ネットワーク型」を目指し、地方においては、風土と文化に根ざした個性の強化や人材の確保などに、地域住民と行政が一体となって創意工夫をこらすことの必要性が強調されています。このように、従来にも増して地方の自治分権が強調される中で、21世紀に向けて、都市づくりの新たな飛躍と発展の軌道を設定するため、次の3点を重点に市政運営を進めていきます。
1.生き生きとしたまちづくりへ向けて
本市は、新市発足以来2回にわたり総合計画を策定し、市民の皆さんの協力のもとに、長期的、計画的なまちづくりを進めてきました。その結果、道路、公園、下水道を初め、医療、福祉、教育、文化、スポーツ施設などが整備されましたが、これらの都市基盤や生活基盤に対する市民ニーズは、依然として強いものがあります。また、高齢化、情報化の潮流に対する適切な対応が求められており、加えて鋭意実現に向けて取り組んでいます新幹線新駅設置は、都市機能の充実に重要なインパクトとして位置づけられています。こうした諸条件を踏まえて、目指す都市像を“富士山をシンボルにみどりあふれる 文化と産業のまち”と定めた「ふじ21世妃プラン」の基本構想が昨年11月定例市議会で議決をいただきました。この計画は、新しいまちづくりへ向けて本年度からスタートしますが、大きな特色として、従来、とかくハードウェアが中心になりがちであった計画から、ソフトウェアを重視し、市民の連帯と心のふれあいを求めるこの計画の遂行には、市民の協力が絶対不可欠の要素です。
また、今までの部門別計画にあわせ、新しく20地区にわたる地区別計画を導入することによってそれぞれの「まちづくり会議」で要望の出された道路、河川等、地域の生活環境整備も、計画的に着実な対応を図っていきます。
この計画を実現するには、膨大な財源と公共用地の確保など多くの課題が待ち受けていますが、まちづくりは市民と行政が一体となって進める共同作品であり、21世紀プランはそのための道しるべとなります。「ふじ21世紀プラン」を広く市民に理解してもらうとともに、まちづくりの主役は、市民一人ひとりの自主と責任であり、多くの市民参加が図られてこそ、市民のための市民のまちづくりが実現します。
また、「ふじ21世紀プラン」を推進するための個別計画として緑豊かな自然環境をつくり、市民と行政が一体となって、総合的な環境創造を目指すため、「グリーンふじ21」計画を策定しました。
この計画の推進に向けて、本年度を「緑化元年」と宣言し、緑あふれる文化と産業のまちづくりを進めていきます。
2.新市発足20周年を明日にはばたく誓いに
本年度、本市は新市発足20周年を迎え、同時に「ふじ21世紀プラン」のスタート年次に当たる飛躍発展へのステップの年となります。この記念すべき20周年に当たり、11月1日を中心に、市民の英知とエネルギーを結集し広範多彩な記念イベントを計画しています。そして、こうした行事の一つ一つを通じ、「新たな創造確かな発展」に向けて、都市づくりへの誓いを新たにしていきます。
20周年記念イベントは、市民各層及び各団体からなる新市20周年記念行事実行委員会で決定した実施計画に基づいて展開されますが、恒例の市長表彰に加え、長年にわたり市勢の伸展に尽くした方方への表彰や記念式典を初め、後世に残す施設整備事業として、保健婦人センターの実施設計に着手します。また、富士まつり、福祉、健康、安全まつりを統合した、“フェスタふじ20”、本市の工業製品や地場産品を紹介する“産業まつり”など各種イベントの開催、記念たばこやはがきなど、民間等の協賛イベントも実施します。
一方、国際交流が大きくクローズアップする中で、教育、文化交流や産業活動の交流を促進するため、友好都市提携の申し入れがあった中国浙江省嘉興市との国際友好都市縁組についても、議会と諮り、市民合意のもとにその実現に努めます。このように、20周年記念行事のイベントを通して、市民の連帯感を培い、郷土を愛する心をつくり出し、市民と行政が信頼のきずなを一層強め、誰もが誇りと愛着の持てる魅力あるまちづくりを進めていきます。
3.富士に映ろいロマンのある新幹線富士駅を
新幹線富士新駅の設置は、交通の利便性はもとより新幹線駅のある都市として、富士市のイメージアップを初め、地域の情報化、国際化、企業誘致、教育文化等、活力ある都市づくりの起爆剤となるものです。特に、富士川流域を生活圏とする各市町、身延線沿線、さらに航路を介して西伊豆地域の各市町村にも、大きな相乗効果をもたらし、新しい地域開発、観光開発等に大きな期待が寄せられます。
こうした関係住民の願いと期待の中で、各地権者や、市民を初め、周辺市町村の皆さんの多大な協力で、工事は順調に進められています。
新駅駅舎構想についても、市民代表等で構成する駅舎デザイン検討懇話会等から多くの意見が寄せられています。そこで、市民のユニークで貴重な意見をできる限り反映させるため、議会の意向を踏まえ国鉄と十分協議し、本年度中に駅舎の実施設計を固め、来年度から新駅舎の建設に着手、完成、開駅というスケジュールで進めていきます。さらに、駅前広場の整備計画、駅周辺土地区画整理事業も併行して進め、新駅が名実ともに岳南地域の交通、産業の要衝として、また地域振興の基軸として.市民に親しまれ、文化性高い「富士に映ろいロマンのある新駅の建設促進」に、一層の努力を注いでいきます。
重点施策に7つの柱
我が国の経済は、物価は安定しているものの、対外貿易摩擦、円レートの上昇など今後の経済の動向は予断を許さないものがあります。このような中で本市の新年度予算は、今後の地方財政の推移に留意しつつ、21世紀を支え得る良質なストックの形成と地域経済社会の活性化に向けて、実情に即した適切な事業の選択と質的な充実に配慮し、限られた財源の中で、積極的な予算編成を行いました。
1.緑豊かな安全なまちへ 35億83万3,000円
【1、みどりと自然 7,635万円】公共施設環境保全林形成事業、グリーンふじ富士21記念事業など
【2、公園、緑地 8億100万円】公園整備事業など
【3、風水害の防止 7億1,704万円】河川整備事業など
【4、地震防災 13億2,062万円】小中学校校舎耐震補強事業、避難路整備事業など
【5、消防、救急 2億5,801万3,000円】消防第9分団、詰所移転新築事業、救急通信施設整備事業など
【6、防犯 1,452万円】防犯灯設置補助及び電気料補助事業
【7、交通安全 3億2,080万円】交通安全施設整備事業
2.健康で住みよいまちへ 13億4,920万1,000円
【1、保健 3,819万円】保健婦人センター建設事業
【2、医療 4億6,042万5,000円】救急医療事業など
【3、環境汚染防止 5,247万9,000円】大気汚染測定機器整備事業など
【4、廃棄物処理 2億572万1,000円】ごみ処理施設建設事業など
【5、斎場整備 5億9,238万6,000円】斎場建設事業
3.ふれあいのある快適なまちへ 148億6,193万9,000円
【1、コミュニティー 4,280万円】公会堂建設補助事業
【2、市街地整備 17億2,658万8,000円】土地区画整理事業など
【3、住宅 2億3,670万円】市営住宅建替事業
【4、生活道路 16億3,796万2,000円】市道新設改良事業など
【5、都市計画道路 10億2,825万円】都市計画街路新設改良事業
【6、上水道 3億8,353万4,000円】配水管改良事業など
【7、下水道 38億4,040万円】公共下水道処理場新増設事業、汚水管渠整備事業など
【8、交通運輸 59億4,670万5,000円】新幹線富士駅設置事業など
【9、市街地景観 1,900万円】河川緑化事業など
4.おもいやりのある福祉のまちへ 5億6,212万1,000円
【1、社会福祉 8,700万円】社会福祉センター建設事業
【2、児童福祉 440万円】児童遊び場整備事業など
【3、心身障害者 1億1,366万8,000円】重度心身障害児(者)医療費助成事業など
【4、障害者の社会参加 4,199万7,000円】障害者福祉都市推進事業など
【5、母子・父子家庭 7,905万6,000円】乳幼児医療費助成金支給事業など
【6、勤労者 2億3,600万円】勤労者住宅建設資金貸付事業など
5.高齢者の生きがいと活力あるまちへ 2億693万2,000円
【1、健康の保持 8,695万4,000円】老人保健ヘルス事業
【2、高齢者医療 364万8,000円】老人医療費助成事業
【3、在宅福祉 6,376万5,000円】老人家庭奉仕員派遣事業、在宅老人リフレッシュ事業など
【4、施設福祉 2,000万円】特別養護老人ホーム建設補助事業
【5、高齢者の社会参加 3,274万5,000円】シルバー人材センター補助事業など
6.心豊かな人づくりのまちへ 42億8,063万8,000円
【1、幼児教育 4億5,490万円】岩松幼稚園改築事業など
【2、義務教育 14億8,900万円】神戸小学校屋内運動場改築、吉永第二小学校校地造成、岩校第二小学校用地取得及び造成事業など
【3、高等学校教育 1億1,575万円】市立商業高校情報処理コース新設事業など
【4、大学・短期大学 47万円】高等教育機関誘致調査
【5、社会教育 5億3,345万円】吉永公民館、東公民館改築事業
【6、青少年の健全育成 435万円】青少年教育講座用教材購入
【7、芸術文化 2億7,755万円】(仮称)文化会館建設構想調査など
【8、文化財 9,575万円】市立博物館常設展示場展示替え事業など
【9、国際文化交流 1,171万8,000円】国際友好交流事業
【10、スポーツ・レクリエーション活動の振興 3,150万円】小・中学校夜間照明施設整備事業
7.いきいきとした産業のまちへ 21億5,896万6,000円
【1、工業 3億3,067万8,000円】中小企業集団化育成補助事業など
【2、商業 5億100万円】小口資金融資事業など
【3、農業 10億7,436万9,000円】沼川湛水防除事業、大渕畑地帯総合整備車業など
【4、林業 2億5,291万9,000円】林業地域総合整備事業など
その他 2億676万7,000円
新市20周年記念行事、平和都市推進事業など
添付ファイル
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