" 国土利用計画(富士市計画)”が11月定例市議会で決定されました。昭和70年を想定したこの計画は、土地の乱開発や自然環境の破壊を防ぎ、長期にわたって安定した土地利用ができるように策定されたもので、富士市域の土地利用の基本方向となるものです。そこで今回は、この計画の内容について紹介します。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 国土利用計画(富士市計画)と他の計画との関連
( 図表説明 ) 国土利用計画(富士市計画)の構成
★なぜ、国土利用計画(富士市計画)を策定したのか
市域の土地は、市民のための有限な資源であり、生産と生活のための諸活動の共通の基盤です。貴重な資源を保全し、有効利用するためには総合的、計画的な土地利用計画が必要です。このため、市域の土地利用の将来像を示す長期的な構想を明確にするために、独立した計画を初めて策定しました。
★国土利用計画(富士市計画)の3つの柱
●市域の土地利用のあり方について、目標を示したこと。
●市域の土地利用に関する行政の指針として、各種計画の基本となること。
●健康で文化的な生活環境の確保と市域の土地の均衡ある発展を図ることを目的として策定されたこと。
★国土利用計画(富士市計画)策定によるメリット
●土地利用の指導指針として役立てることができます。
●各種の計画を立案する際の基本とすることができます。
●長期的な展望のもとに、総合的かつ計画的な土地利用行政の運営ができます。
国土利用計画(富士市計画)は、限られた土地資源の中で、周辺に与える影響等を考慮し、可能な限りの土地の有効利用、高度利用を図るため、利用区分別の土地利用に次のような目標を定めています。
農用地
食糧供給源であり、生活環境や自然環境保全にも重要な役割を果たすことから、確保と保全に努める。また、都市近郊農業としてその特性を生かすなど、生産性の向上を図る。
森林
木材生産機能の整備、国土保全、水源かん養等、多目的機能の維持増進のため、育成強化を図るとともに自然環境の保全に努める。特に良好な自然環境を形成している森林区域は、自然公園として利用する。
原野
周辺環境に応じた有効利用を進めるとともに、浮島地区に見られるような優れた自然環境を形づくるものについては、その保全に努める。
水面・河川・水路
自然環境の保全に配慮しながら必要な整備を図り、河川改修等の災害対策を進める。
道路
国道1号バイパス等の幹線道路や生活道路については、安全性、快適性を十分考慮し整備を図る。農林道については、農林業の生産性の向上や適切な管理を図るため、必要な用地の確保に努める。
宅地
将来の宅地需要の増加に対処するため、土地区画整理事業や生活関連施設の整備を推進して必要な用地の確保を図る。また、知識集約型の先端技術産業や大学等の高次教育機関の誘致を図るため、周辺の環境との調和を考慮して必要な用地を確保する。更に、中心市街地や新幹線富士駅周辺地区は、計画的な整備のもとに土地の高度利用を促進する。
その他の地目
公園用地等のその他の地目については、需要の増加に対応した計画的な配置を行うとともに、環境の保全に留意しながら必要な用地の確保を図る。
市街地
今後も人口増加等に伴い拡大することが見込まれるが、災害に対する安全性の確保に留意しながら、土地区画整理、宅地開発及びその他都市施設の整備を促進して計画的な整備を図る。
土地の利用区分ごとの規模の目標を、将来人口等を前提に各種将来事業計画を参考として面積数値で設定したのが、表−1です。この目標を達成するために、富士市を北部地域(農用地、森林面積が82%を占める区域)と南部地域(現況の市街化区域)に分け、それぞれの地域の特性を生かした適正な土地利用を推進し、次のことを重点に的確な措置を講じていきます。
■総合的、計画的な土地利用の調整
■安全で良好な生活環境の確保
■自然の保全と文化財の保護
■土地利用転換の適正化
■土地の有効利用の促進
以上が国土利用計画(富士市計画)の概要です。
市は、第三次富士市総合計画(ふじ21世紀プラン)に掲げる21世紀の都市像“富士山をシンボルにみどりあふれる文化と産業のまち”の実現のため、この計画を積極的に活用し、公共の福祉を優先させた個性豊かで魅力あるまちづくりを進めていきます。
なお、この計画の詳しいことを知りたい人は、市役所都市計画課(4階)へお問い合わせください。 電話番号51-0123 内線327
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( 図表説明 ) 土地利用構想図
( 図表説明 ) 表−1
( 図表説明 ) 〈土地の利用目的に応じた区分ごとの規模の目標〉