昭和20年8月6日広島に、続いて9日には長崎にも原爆投下され、15日には多くの犠牲者と深い傷跡を残して戦争は終わりました。
そのとき、私たちは「二度と悲惨な戦争は繰り返したくない」と世界に先駆けて戦争放棄を誓いました。それから40年経過したことしの11月19日、富士市は平和の象徴である富士山を持つまちとして、「核兵器廃絶平和都市宣言」を11月定例市議会本会議で可決し、内外に宣言しました。
■いまや世界の核兵器は広島型原爆の百万発分
第2次世界大戦で何百万人もの尊い生命を失い、広島、長崎と人類史上初の被爆国となった私たちは、二度と戦争を繰り返さないよう憲法で戦争放棄を誓い、あの焦土の中から立ち上がり平和な日本を築いてきました。
でも、残念なことには、世界の情勢を見ると、中近東紛争など各地において戦火の絶え間のない状況にあります。
一方、超大国による核兵器軍備拡大競争は、とどまるところを知らないほどエスカレートの一途をたどっています。
いまや世界の核兵器は、広島型原爆の百万発を上回ると言われています。
■核戦争は全世界を滅す
国連に提出されたある報告によれば、核戦争が起こった場合、それぞれ両国の人口の7千万から9千万人が即死、工業の60%から65%が壊滅。
また、北半球で起こった場合の核戦争によって北半球の人たちはもちろん、南半球にまで回った死の灰で南半球の食糧も絶えるため何億かの南半球の人たちが死ぬといわれています。
世界的に核戦争の恐怖が現実のものとなりつつある今日、核兵器廃絶の願いは世界的な運動として、わが国においても広がりをみせています。
■恒久平和を願って
市は、核戦争の危機を憂い、市民の平和への意識が高まる中で、人類の生存と恒久平和のために、すべての核保有国に対し、核兵器の廃絶と軍縮を求めながら、日本の方針となっている「非核三原則」いわゆる
・核兵器は持たず
・作らず
・持ち込ませず
が完全に堅持されることを願い、「核兵器廃絶平和都市宣言」を内外に宣言しました。
平和への誓いを新たに人間尊重のまちづくりを
核兵器廃絶平和都市宣言は、恒久平和への誓いを新たにし、あらゆる国の核兵器の廃絶と軍縮を願って宣言しました。
憲法に掲げられている恒久平和を願い、求めていくーそれは市民のいのちと暮らしを守っていくことであり、それを子供たちに伝えていくことが、私たちのまちの自然や文化を守ることにもつながると思います。
市民一人ひとりが平和への歩みを重ね、人間尊重のまちを築いていきたいものです。
■平和宣言塔等を設置してアピール
非核平和都市宣言をしている自治体は全国で700余りあります。
富士市もこの仲間に入ったわけですが、これらの地域運動が互いに手を結べば、世界各地の非核化に大きなインパクトを与えることが期待できます。
この宣言にあわせて、今年度は核兵器廃絶平和都市、富士市をアピールするため、市庁舎へ懸垂幕を下げると同時に、宣言の輪が広がっていくこを願って市内に宣言塔を2基設置する予定です。