森にはホトトギス科の託卵鳥が、4種類渡って来る。ジュウイチ(寄託鳥はコルリ、オオルリ、クロツグミ、アカハラ等。以下カッコ内は寄託鳥)とツツドリ(センダイムシクイ、メジロ、キビタキ等)が4月下旬、コッコウ(ホホジロ、アオジ、ヒバリ、セキレイ)、ホトトギス(ウグイス、アオジ、センダイムシクイ)が5月上旬に渡って来る。ジュウイチ、ツツドリは霧の深い朝など寂しい声で鳴き、カッコウとホトトギスは森の上を鳴きながら飛ぶ。そして秋、彼らが遠い南の国へ去ると、森の小道に沿ってヤマホトトギスの花が可憐な冠に似た花を咲かせる。続いてヤマジノホトトギス、前後にホトトギスの花が見事に咲き出す。白、またはピンクの地に濃い赤紫色の斑点が、ホトトギスの腹毛に似ているので名づけたものだが、いずれもユリ科、低山の花の中ではよく目立つ。
*丸火の自然は、今回で終了させていただきます。丸火自然館の橘田さん、どうもありがとうございました。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 橘田権治さん
- 写真あり -
( 写真説明 ) ホトトギスの花