中央町3丁目(西仲町)の大運寺(だいうんじ)に子育て稲荷(いなり)があります。
ここに祭られているのは、京都の伏見稲荷の使いの狐(きつね)で、伏見稲荷からもってきたという金のはしが今でもあります。
病気の子供をもった親が、このお稲荷さんへお参りするとたちまち病気が治ると言い伝えられています。
伏見稲荷の使いの狐
昔、大運寺のお坊さんの枕もとへ毎晩のようにあらわれる一匹の狐がおりました。そして「和尚(おしょう)さま起きてください。私をお稲荷さんに祭ってください」と言います。和尚さんはどこから、どういわけできたのか聞きました。狐は「私は京都の伏見稲荷の使いです。『東国に病がはやり、子供が育たなくて困っているところがあるので、お前はそこへ行って子供を守ってやりなさい』と言われてきました」と答えました。和尚さんは狐は人間をだますのが上手なので、伏見稲荷の使いだという証拠(しょうこ)があるのか尋(たず)ねると、狐は金のはしを見せました。
さっそく伏見稲荷へ問い合わせてみると、たしかに金のはしが1ぜんなくなっているということでした。
そこで和尚さんは、境内(けいだい)へほこらをつくり、子育て稲荷大明神として祭りました。その後、吉原では、はやり病で子供が死ななくなったそうです。
夜泣きにご利益
富田さん
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大運寺の住職富田生久さん(38歳)は、「年寄りが孫を連れてくるようです。県内各地から参拝者があり、子供が夜泣きをしたときにお参りするとすぐ治ると言われています。
お参りしているところを人に見られてはいけないと言われているようで、気がつくと油揚げが上げられています」と語ってくれました。
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( 写真説明 ) 狐が伏見稲荷からもってきたという金のはし