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【広報ふじ昭和60年】ふるさとの昔話

田子浦 新浜の備前さん

 田子浦の新浜地区に「備前(びぜん)さん」と呼ばれるお堂があります。ここには昔、備前の国から幕府の御用米を積んで来て転ぷくした船の乗組員を祭った石塔が納められています。
 今回は、この「備前さん」にまつわろ話を、新浜の大竹徳一さん(68歳)に話してもらいました。


夢枕に現れた石塔

 昔、備前(びぜん)の国(現在の岡山県の一部)から、幕府(ばくふ)の御用米(ごようまい)を積んて来た船が、航路(こうろ)を間違えて駿河湾(するがわん)入ってしまった。そこで仕方なく田子浦湊(みなと)へ入ろうとしたが、富士川へ入ってしまった。富士川は天下の急流船はたちまちひっくり返り、船はもちろん20人近い乗組員はほとんど亡くなってしまった。死体は、大部分が新浜にあがり、哀れに思った新浜の人たちは、石塔を建て、祭ってやったそうな。
 ところが、長い年月の間、たびたびの天災によって石塔は埋もれてしまい、人々にもすっかり忘れられてしまった。
 それが、今から60余年前、新浜の大竹よねさんという信心(しんじん)深い老婆(ろうば)の夢枕(ゆめまくら)に「石塔を掘り出して祭ってくれ」とお告げがあった。すぐに告げられた場所を掘ってみると、本当に石塔が出てきた。村の人たちは、さっそくお堂を建て、今でも毎月4日をもって供養(くよう)している。
 「備前さん」は、願い事かかなえられると定評があり、建立当時は参拝者が絶えなかったのを覚えている。

- 写真あり -
( 写真説明 ) 備前(びぜん)さん
( 写真説明 ) 「お堂ができたとき まんじゅうをもらったよ」
添付ファイル
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