夏、いよいよ本番。海に山にレクリェーションを楽しむには絶好の季節です。でも同時に台風シーズンにも入ります。
強い風、激しい雨……台風は私たちの生活に大きな災害をもたらします。できることなら台風と顔を合わせたくないと思ってみても相手は「天災」。私たちは台風について勉強しておく必要があるようです。
台風の性質を知ろう
台風は大きな低気圧の一種で、中心の気圧はその周りに比べて極端に低くなっています。
このため、周りの空気は、気圧の低い台風の中心に向かって勢いよく流れ込む――。これが台風の強い風なのです。また、一般に台風の進行方向の右側と左側では、風の強さが違います。これは、台風が時計と逆まわりの大きな空気のうずになっているからです。台風の右側は台風自身のうず巻く流れと台風を進める流れが重なって強い風が吹きます。
一方、台風の左側は、うずの流れと台風自身の進む方向が逆になるので右側と比べると一般に風速は弱くなります。北上する台風が、私たちの住んでいる場所の西側を通過するときは、東側を通るときに比べて強い風が予想されますので注意しましょう。台風は、なぜ大雨を降らすのでしょうか。それは、台風が赤道付近の海上で発生した後も、絶えず南の暖かい海面から大量の水分の補給を受けながら北上を続けるからです。
台風が日本の国土にもたらす雨の量は、ふつう100億トンから200億トン。
多いもので300億トンから600億トンといわれています。我が国で1年間に消費される水の量は、生活用水110億トン、工業用水は160億トンですからこれに比べると台風がどれだけ多くの雨を降らせるかがわかります。
こうした雨は貴重な水資源となる半面、洪水、土砂災害なども引き起こすことはご存じのとおりです。
片倉ダムが機能を発揮
台風6号の接近で、6月30日から7月1日早朝にかけて本市も強い雨に見舞われました。
市は、1日午前1時45分に災害対策本部を設置し、台風に備えました。
特に、1日午前2時から3時までの1時間に市街地で30ミリの豪雨を記録しましたが、幸いに大きな被害は出ませんでした。豪雨のたびに溢水していた吉原市街地を流れる和田川も溢水被害は出ず、地域住民も胸をなでおろしました。これは、市街地の治水対策として、ことし3月に完成した片倉雨水貯留ダムや伝法の貯留池が機能を発揮したものと思わわれます。今後も、豪雨に対して、かなりの洪水調整機能を果たすものと期待されます。
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( 写真説明 ) ことし3月に完成した片倉雨水貯留ダム