橘田権治さん
台風
台風が、近づくと森は深い霧に包まれ、やがて風雨が荒れ狂う。スギ、ヒノキ等根の浅い植林されたものは根こそぎ横倒しになり、コナラ、シデ等丸火の岩にしっかり取りついた木は、幹の途中で折れたり曲がったりしている。
真夏日
嵐が過ぎ去ると空はあくまで青く、森にはシラユリの香りが漂う真夏日となる。ヒグラシは朝夕、そして、ちょっとでも日が陰ると一斉に鳴く。愛鷹山の方で遠雷がとどろくと、1時間もたたないうちに森に稲妻が走り、雷鳴がはじける。大粒の雨が襲う1時間余りで、また夏の太陽。まだぬれたクサギの花群(はなむら)にカラスアゲハ、クロアゲハが群れをなし集まる。
秋の気配
道野辺にヤマホトトギス、フシグロセンノウ、コウゾリナ、ゲンノショウ、ツリフネソウ、森かげにはタマアジサイ、シシウドの花が咲き、キャンパーでにぎわった森が静かになる頃、ホウシゼミの声が秋の気配を伝えてくる。
- 写真あり -
( 写真説明 ) シシウドの花