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【広報ふじ昭和60年】ふるさとの昔話

岩本万野の天狗岩

 岩本の実相寺西側の道を登って行くと、家が5、6軒ある万野部落に着きます。万野部落の西側は絶壁(ぜっぺき)で、その中腹に富士川へ突き出た大きな岩があります。里の人々は、その岩が天狗(てんぐ)の顔のようなので「天狗岩」と呼び、天狗のすみかに違いないと思っていました。


天狗に乗った漁師

 ある日の夕方のことでした。一人の漁師が富士川で鮎(あゆ)をとっていると、漁師のなりをした天狗(てんぐ)が現れて、「俺(おれ)と相撲(すもう)をとらないか」と言いました。漁師が無視していると、天狗は「漁は後で俺が手伝うから相撲をとろう」といいます。漁師は、断(こと)わると怒(おこ)るかもしれないと思い、河原で相撲をとりました。漁師に負けた天狗は、顔を真っ赤にして「もう一度」と飛びかかってきました。漁師は負けてやらないと幾度(いくど)もかかってくるに違いないと思い、威勢(いせい)よく投げつけられました。
 喜んだ天狗は漁師の手伝いをしましたが、さっぱり漁がありません。天狗は漁師をおぶい、目を閉じるよう命じると、風を切って空を飛び、どこかの河原に着きました。天狗は、たちまち鮎をいっぱいとり、再び漁師を背中に乗せると元のところへ帰ってきました。漁師が、鮎をとった川を尋ねると、「伊勢の鳥羽の川さ」と言ったそうです。


子供のころ聞いたね

 万野の長老鈴木茂雄さん(74歳)と奥さんの富美代さん(67歳)は、「天狗岩の天狗は鼻を引っぱって人を驚かすと聞いている。漁師の話は子供のころ聞いたよ」と語ってくれました。

- 写真あり -
( 写真説明 ) 鈴木さん夫婦
( 写真説明 ) 天狗岩
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