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【広報ふじ昭和60年】ふるさとの昔話

下横割のお茶ばあさん

 下横割の福寿院(ふくじゅいん)に「お茶ばあさん」を祭ったお墓があります。
 「お茶ばあさん」は、観音菩薩(かんのんぼさつ)の化身(けしん)だといわれ、せきに悩む人々が、お茶を供えてお祈りすると、たちまちのうちにせきが治るといわれています。


菩薩の化身のおばあさん

 今から350年ほど昔のことでした。上横割の成安寺(じょうあんじ)の逸道禅師(いつどうぜんじ)というお坊さんは、ぜんそくが持病で隠居(いんきょ)し福寿院に住んでいました。ある日、せきに悩むおばあさんがやってきて「おこもりしてお祈りしたい」と禅師にお願いしました。
 老婆は、本堂にこもり、ご本尊(ほんぞん)に茶をささげ、一心に祈り続けると、間もなく禅師のぜんそくも、老婆のせきも全快しました。その晩、老婆はどこともなく消えてしまい、禅師は、きっと観音菩薩の化身であろうと思い、供養(くよう)を怠りませんでした。
 禅師が亡くなって100年あまり過ぎたころです。横割村の百姓長右衛門に一人の姉がありました。姉は逸道禅師のぜんそくを治した老婆の化身で、病気により、福寿院の住職の枕もとに現れて死んでしまいました。ねんごろに葬ると、どこからともなく「我は世の人々のせきの病いを救おうぞ」という声が聞こえました。


市外からもお参り

大石さん
- 写真あり -

 福寿院の近くに住む、大石幸一さん(68歳)は、「今でも市内はもとより、清水・三島などからもお参りに来るよ。お礼参りに来る人も多く、霊験(れいけん)あらたかだよ。8月7日が祭典だけど、地元の人が案外知らないね。」と語ってくれました。

- 写真あり -
( 写真説明 ) お茶ばあさんの墓
添付ファイル
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