昭和60年1月25日から2月6日にかけて実施した市民意識調査の結果がまとまりましたのでそのあらましをご紹介します。
この調査は「富士市に住んでこう思う」をテーマに、市民の日常生活の中で生活環境と市政に関係あるいろいろな問題について意識の変化を把握し、今後のまちづくりを進める上での基礎資料とするために実施しました。
調査の内容は「居住環境に対する満足度」「市政の身近感」「余暇時間の活用」「まちの将来」など15項目にわたっています。
なお、調査にご協力いただきました対象者のみなさんに厚くお礼申し上げます。
−調査の概要−
市内在住の満20歳から80歳までの男女1,500人を住民基本台帳から無作為抽出して行いました。
調査期間
昭和60年1月25日〜2月6日
回収結果
調査対象者 1,500人
回収票 1,331人(男650人、女678人、不明3人)
回収率 88.7%
◇各設問のパーセントは小数点以下第2位を四捨五入してありますので100パーセントにはならないことがあります。
●質問1.あなたの日常生活の中で、買い物の便利さ、通勤、通学の便利さ、隣近所との関係についてどのように感じていますか。
・買い物の便利さ及び通勤、通学の便利さとも、満足またはやや満足と答えている割合が高かった地区は吉原、富士駅北、広見、富士見台、須津地区でした。逆に不満、やや不満と答えた割合が高かったのは、神戸、大渕地区でした。
・隣近所との関係になると、満足、やや満足と答えた率が高かったのは富士南、吉永、吉原地区でした。不満、やや不満が高い率を示した地区はありませんでした。
- 図表あり -
●質問2.あなたは今住んでいる地域にこれからも住み続けたいと思いますか。
「ずっと住んでいたい」が54.8%「何も考えていない」が24.9%で5人に4人は、現在住んでいる地区に住み続けるという定住志向型でした。
居住期間別に見ると3年未満では32.6%の人たちが移りたいと答え、長く住んでいるほど移りたい人の割合は低くなっていました。
※昭和48年調査市外へ移りたい14.6%
- 図表あり -
○補助質問1.移りたいと答えた理由は何ですか。
移りたい理由の第1位は「家や敷地が狭い」が20.6%、昭和48年の調査では「公害等で環境が悪い」が実に53.5%を占めていましたが、今回は14.8%に減少し、公害防止対策が実効を上げていることがうかがえました。
- 図表あり -
●質問3.あなたが住んでいる地区で、特に不満や不便を感じている施設がありますか。
病院、医院の充実要望が一番多く回答されました。
公園、遊び場も前回と同様市民の強い要望として表れました。特に幼児を持つ20代、30代が20%以上の高い回答率でした。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 昭和48年調査
●質問4.あなたは、この1年間に市役所へ出向かれたことがありますか。
市役所へ出向いたという人が75.8%、出向いていない人が23.6%、未回答が0.6%でした。
地区別では、来たことのない人が多かったのは浮島、元吉原、田子の浦の順でやはり市役所から遠い地区でした。
○補助質問1.市役所へは何回ぐらい出向かれましたか。
市役所へ出向いた人のうち80%以上が5回以内であり、女性に至っては90%近くが5回以内でした。
6回以上出向いた人は全体でも17.7%でした。
- 図表あり -
○補助質問2.どんな用件で市役所へ出向かれましたか。
予想されたとおり、半数以上の人は「市民課」と回答しました。「市民課以外の課への届け出」について60代(21.3%)70代(29.2%)が高率になっていくのは福祉部等への関係があるのではないかと考えられます。
- 図表あり -
●質問5.あなたは市政に参加したいと考えていますか。
市政への市民参加については条件つきながら関心があり、参加する意思のある人と無関心で参加する意思のない人は半々でした。
年代別では参加型は30代(58.0%)を筆頭に40代(57.3%)50代(54.0%)と高齢になるほど少しずつ減り、60代からは急激に減りました。
- 図表あり -
●質問6.富士市政は、市民の声を十分に反映していると思いますか。
「十分反映している」「少し反映している」を合わせると41.4%で「あまり反映していない」「全然反映していない」を27.2%も上回っていました。
しかし、昭和50年の調査と比較するとよい評価、悪い評価とも6.9%ずつ減少し、「わからない」という中間的な回答が10.6%増加しました。
- 図表あり -
●質問7.あなたは、市役所の仕事を主に何によって知りますか。
「広報ふじ(暮らしのたより)」が圧倒的に多く、「広報無線」「新聞、テレビ」「議員や職員」「町内会の会合」などは低率でした。「ダイヤル市政案内」「市政懇談会などはほとんどありませんでした。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 昭和53年調査
●質問8.あなたは、市に対する意見や要望・苦情などを伝えるとしたらどのような方法をとりますか。
「自治会を通して」が18.9%と第2位を占めて、第1位の「直接市役所へ出向く」との差はわずか1.9%でした。地区住民の意見の集約調整機能としての自治会の役割がうかがえました。特に神戸(31.3%)大渕(26.3%)富士駅南(26.3%)富士見台(26.2%)伝法(25.0%)は高い率を示しました。
●質問9.あなたは、日常生活の中で平均して1日にどれくらいの余暇時間がとれますか。
余暇時間は平日の場合、4時間以内が67.9%、休日の場合は逆に4時間以上が51.3%でした。
職業別では、主婦が平日も休日も大差がないと回答し、家事には平日も休日もないことが裏づけられました。
- 図表あり -
●質問10.あなたは、余暇時間を有効に活用していますか。
「十分活用」「まあ活用」が56.6%で半数以上の人は活用していると回答しました。「活用していない」「あまり活用していない」は37.9%でした。
質問9とクロスすると余暇時間の有効利用については余暇時間が長い、短いにはあまり関係ない結果が出ました。
- 図表あり -
●質問11.今より余暇として使える時間がふえたらどのようにして過ごしていきたいと思いますか。
現代の多様化の時代を反映して回答がバラエティーに富んでいました。「趣味、娯楽」が23.0%で第1位でした。そのほかでは、けいこごと7.9%、読書7.5%、映画・コンサート3.8%、スポーツ観戦2.1%の順でした。
- 図表あり -
●質問12.あなたは、余暇時間をより有効に活用するためには、どのような施設がもっと必要だと思いますか。
動植物園が第1位というのは予想外でした。しかし質問11との関連性を見ると、余暇時間の過ごし方の第2位であった「運動をする」ための施設としての体育館、グラウンド、第3位であった「旅行、ハイキング」へ行くための動植物園、緑地、ハイキングコースなどいずれも余暇時間を有効活用するための目的と手段がほぼ一致している回答結果となっていました。
- 図表あり -
●質問13.新幹線富士駅が建設されますが、あなたは新駅ができることによってどの方面に力を入れていったらよいとお考えですか。
全体的には、「教育文化」「工業」「観光」「商業」の順でしたが、男女間で較差があったのは「工業」で男性23.7%に対し女性は14.9%でした。
- 図表あり -
●質問14.公共施設を利用する場合、今後ある程度使用者の負担が生ずることがあります。その負担についてあなたの考えはどうですか。
「必要な負担」「少しはふえても」の受益者負担当然型は58.8%、好ましくない型は35.1%で当然型が23.7%も上回りました。
公共施設の利用については、少しの負担という条件つきながら受益者負担の考え方が、市民の半数以上で支持されました。
- 図表あり -
●質問15.今後、あなたが、市に特に力を入れてほしいと思うことは何ですか。
悪いイメージで全国的に知れわたったヘドロを含めた公害の防止対策が昭和46年、50年とも第1位を占めていたが、今回の調査では第8位でした。また生活基盤整備である道路整備については第6位でした。しかし、豊かな生活環境を求める時代を反映して下水道整備に関しては少しずつ要望が高くなってきました。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 項目別地区の第1位、2位
( 図表説明 ) 昭和46年調査結果、昭和50年調査結果、昭和60年調査結果