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【広報ふじ昭和60年】ふるさとの昔話

 吉原の身代り地蔵さん

 吉原1丁目、岳南鉄道吉原本町駅裏の陽徳寺のお地蔵さんは、願いごとを聞いてくれるというので有名です。
 このお地蔵さんは、昔、駿東郡青野村(沼津市)の光明庵というところに祭られていましたが、ある年の夏、大洪水があって浮島沼へ流されてしまい、それを宿場の人たちが救い上げ、陽徳寺の本尊にしたということです。


目やにいっぱいの地蔵さん

 吉原1丁目を寺町と呼んでいたころのことです。
 寺町に悪性の眼病が大変はやったことがありました。
 町の人々は困って、このお地蔵さんに願をかけると、眼病はたちまち潮が引くように治ったといいます。
 それからは、身体の弱い子、はしかの子、おできの子など、「どうか治してください」とお願いすると、大抵聞き入れてくれたということです。町の中から眼病がなくなったとき、このお地蔵さんを見たら、目にいっぱい、目やにがついていたのでいつのころからか、身代り地蔵と呼ばれるようになったそうてす。


昔と変わらぬ縁日のにぎわい

 毎年7月23日が地蔵堂の縁日で、盛大に地蔵さんを祭ります。
 昭和23年以来、堂守りとして地蔵堂を守っている石井松庵さんは、「ふだんは願かけに来る人は、ほとんどいません。でも毎年の縁日は昔と変わらず大層なにぎわいを見せますね。
 しかも不思議と宗旨にかかわらずいらしゃいますね。」と縁日のようすを語ってくれました。

- 写真あり -
( 写真説明 ) 正面が身代り地蔵さん(壁で顔が見えないのが残念です)
添付ファイル
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