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【広報ふじ昭和60年】公共下水道は文化のバロメーター

審議会が「使用料金改定」を答申

 下水道使用料金の適正化を図るため、渡辺市長から諮問を受けていた「富士市下水道使用料金等審議会」が昨年12月、「下水道使用料金改定」に関する答申をしました。
 市は、この答申をもとに3月定例市議会に下水道料金改定を提案し、市民の皆さんに理解と協力を求めていきます。そこで、本市の下水道施設のあらましと、下水道使用料金について触れてみましょう。

欧米に比べ低い普及率

“怪盗ルパン”を読んだ方なら、名探偵シャーロック・ホームズに追い詰められたルパンが下水道を使ってまんまと逃げのびていくシーンがあったのをご存じのはずです。
 このように、ヨーロッパの国々やアメリカでは下水道の歴史は古く、非常によく整備されています。
 GNP(国民総生産)では、世界の先進国と肩を並べるようになった我が国も、日常生活に欠かせない下水道の普及率となると、欧米先進国の70%〜90%に対し、30%と大きく立ちおくれているのが現状です。
 皆さんもすでにご存じのとおり、下水道は各家庭から出される台所や風呂の水、し尿を、地下に埋設したパイプを使って処理場に送り、そこで汚水を化学的に処理し、きれいな水にして川や海に流します。このように下水道施設は、自然環境を守り、快適な都市づくりには欠かすことのできないものです。
 本市では、昭和33年に吉原下水処理区が、39年に富士処理区が下水道事業に着手しています。昭和40年には、吉原地区の市街地を中心とした吉原下水処理場が供用を開始しました。
 昭和49年には富士見台団地を対象とした富士見台処理場が、54年には富士・鷹岡地区を対象とした西部浄化センターが供用を開始。現在、工事が進められている吉原地区以東を対象とした東部浄化センターは、昭和65年の供用開始を目標としています。

維持管理費は使用料金で

 本市の下水道普及率は現在28.0%。1万2,950世帯が公共下水道を使用しています。
 ではここで、本市の下水道使用料金について述べてみます。
 前ページ下のグラフをご覧ください。これは、県下10市の下水道使用料金を表にしたものです。
 下水道使用料金は、基本料金と従量料金とから成っており、本市の場合、基本料金が排除汚水量10立方メートルまで300円、これに使用量である従量料金が加算されます。
 一般家庭で1か月30立方メートル使用したとして約900円程度の料金となり、県下でも低いランクであることがわかると思います。
 下水道利用者の皆さんから納めていただいた料金は、下水処理施設の維持管理費に充てられます。
 現在、本市の下水道使用料金は、昭和54年に改定されたもので、負担公平の原則に基づき、維持管理をできるだけ使用料金で賄うことを基本としています。ところが、昭和59年度の下水道使用料と維持管理費を比較するとおわかりになると思いますが、維持管理費が5億5,200万円に対して、使用料金は2億200万円と、維持管理費のわずか37%を賄っているにすぎません。
 このままの料金体系でいくと、年年赤字額がふえ、下水道事業のより健全な運営管理を図ることができなくなってしまいます。そこで市では、富士市下水道使用料金等審議会に昨年の7月7日、「下水道使用料金改定」について諮問をし、慎重に審議をしていただいた結果、「下水道料金の改定を認める」とした答申を受けたわけです。

下水道事業のより健全な運営を

 下水道料金決定の考え方として、国の諮問機関である下水道財政研究委員会が、昭和55年に示した第4次提言では、従来、汚水処理費のうち資本費は公費負担で、維持管理費のみ使用料で、という第3次方式から資本費も含め使用料経費の対象とすべきである−としています。
 本市の場合、先にも述べたように維持管理費はすべて使用料で賄うことを基本としています。しかし、本市の下水道普及率が低く、これを実施するにはまだ困難な状況にあります。そこで、維持管理費の70%程度を使用料で賄えるよう−としたのが今回の改定案です。
 料金としては、現行の約67%アップの基本料金が500円に、それに従量料金を加えると標準世帯で30立方メートルまで使用した場合、約1,500円程度になる見込みです。
 市では、この改定案を3月定例市議会にはかり、市民皆さんの理解と協力を求めていきます。

- 写真あり -
( 写真説明 ) 処理場全般の集中的操作を行う中央監視室(西部浄化センター)
( 写真説明 ) 漆畑会長から答申を受ける渡辺市長

水洗トイレ改造資金を融資

 供用開始区域内(公共下水道が使用できる区域)の建物の所有者は、台所・風呂などの排水を公共下水道へ接続しなければなりません。また、くみ取り式の便所は、3年以内に水洗便所に改造することが義務づけられています。市では、くみ取り式の便所などから水洗便所に改造する方に対し「水洗便所改造資金」として、無利息で30万円までを融資しています。詳しいことは、市下水道課へお問い合せください。 電話番号 51-0123 内線393
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