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【広報ふじ昭和60年】広見公園内に高床式倉庫を復元

奈良時代の歴史を見る

 市は、文化公園として整備を進めている広見公園の中にある民俗資料館に、奈良時代の掘立柱建造物を復元します。
 工費は1,200万円で完成は3月末。4月には一般公開する予定です。
 歴史民俗資料館には、これまでに樋代官長屋門、原泉舎、旧松永家住宅、眺峰館、横沢古墳の4棟1基が復元されています。
 また、郷土の歴史を知る貴重な史料として、書跡4件、考古資料1件を市の有形文化財に指定しました。

倉庫か武器庫と推定

 今回復元される掘立柱建造物は、東名富士インターチェンジの南側一帯にかけて広がる、東平遺跡を発掘調査した時に確認された竪穴住居跡や掘立柱、建造物址の記録をもとに近年の考古学の考え方や事実を根拠にして、建物の上屋構造を検討し復元します。
 建物は、19.24平方メートル(5.83坪)の広さで、奈良時代には倉庫か武器庫に使われていたと推定され、材料はすべて杉材が使用されます。
 遺跡からの復元建物は、県内では静岡市の登呂追跡、浜松市の伊場遺跡に次ぐもので、特に奈良時代の地方遺跡の建物復元は全国的にみても珍らしいものです。

東平遺跡

 東平遺跡は、富士山南麓で営まれた奈良時代から平安時代初期の大集落です。これまでに東名高速道路、西富士道路の建設工事に伴い発掘調査を行い竪穴住居址250軒、掘立柱建造物址61棟を発見、調査しました。
 また、多量の土師器、須恵器、鉄器が出土するなど市内を代表する遺跡です。
 この遺跡の周辺には、三日市浅間神社や、神社付近から出土する布目瓦から、同時期にあったとされる三日市廃寺址(定額寺富士郡法照寺か)など、歴史上東平遺跡の位置は極めて重要視されています。

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( 写真説明 ) 高床式倉庫復元模型

5件の有形文化財を市指定に それぞれが歴史的価値の高い史料

 市有形文化財に指定した書跡4件は、富士市域における近世社会を解明するのに極めて歴史的価値の高いもので、市史編さん等の市史研究作業には欠かせない史料です。
 それぞれの特色として「田子のふるみち」は、東海道吉原宿の変遷過程を詳細に記録し、松岡瑞林寺、森島法田寺の両禅寺記は新田開発を通じ、地域社会の発展努力の足跡を如実に伝えています。
 また、今泉村邑宝鑑(むらかがみ)は、近世今泉村の村落構成がよくわかり、市域の村落共同体の把握と分析に役立つものです。
 いずれも保存状況がよく、永久保存していきます。
 一方の考古資料、比奈医王寺出土の経塚遺物は、平安末期に埋納したものであり、古代、中世史料の比較的乏しい富士市としては貴重な存在です。
 これまでに市内における経塚発見例は1例ありますが詳しいことは不明です。したがって、平安末期の埋経思想をうかがい知る現存遺物として、歴史的価値の高いものです。これも保存状況がよく、永久保存していきます。

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( 写真説明 )
名称 紙本墨書 稿本「田子のふるみち」(森家本)1帖
所在地 荒田島127番地の1
吉原宿住人、姉川一夢が享保18年(1733)に著わした地誌で、延宝8年(1680年)8月の大津波による吉原宿所替の様子を中心に、前後3回にわたる吉原宿の変遷、吉原湊の歴史、浮島沼の開発などが書かれています。

- 写真あり -
( 写真説明 )
名称 紙本墨書 福寿山瑞林禅寺記1帖
所在地 松岡489番地
瑞林寺の開山鉄牛道機(1628〜1700年)が、元禄9年(1696年)に著わしたもので、瑞林寺開創の事情と経緯が詳しく書かれ、富士川治水と加島新田開発に全生涯を費やし、悲願の雁堤築提を完成させた古郡親子と鉄牛との密接な親交関係や新田開発の並々ならぬ苦難が理解できる貴重なものです。

- 写真あり -
( 写真説明 )
名称 紙本墨書 高林山法田禅寺記1巻
所在地 森島191番地
貞享元年(1681年)、空谷如印和尚によって書かれ、森島地区の開発に努力し、法田寺を開いた高沢道喜の功績が記されています。

- 写真あり -
( 写真説明 )
名称 紙本墨書 今泉村邑宝鑑1帖
所在地 今泉7-12-36
邑宝鑑は、江戸時代の今泉村の様相を知る極めて重要な史料で、支配領主の変遷や田畑、村高、年貢米の推移が理解できます。また、田畑を潮水害から守る堤防の構築、整備や新堀等の用水路の開削など地域開発の一端もわかるものです。

- 写真あり -
( 写真説明 )
名称 医王寺経塚遺物
所在地 比奈1546番地
昭和9年出土の比奈医王寺経塚遺物です。経塚は、末法思想の影響により、平安時代後期に当時の人たちが盛んに写経し、埋納したもので平安末期の埋経思想を知るのに貴重な史料です。
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