大渕の大坂に「雨ふり山」といわれているところがあります。この山へはいった者は雨に降られて、逃げ帰ってくることが多く、村の人々からいつからともなく「雨ふり山」と呼ばれるようになったということです。
山にはいると大雨が
ある年の秋、働き者だと評判の若者が山へ仕事に出かけました。
まだ一度もはいったことのない山へはいり、仕事にかかろうとすると、薄気味悪い雲が空を覆(おお)い大粒の雨が降り出しました。若者は急いで道具を片づけると、雨がやみ青空が見えてきました。「これはよかった」とまた仕事にかかると、さっきより強い雨が降ってきました。
若者はなおも仕事を続けると、今度はすさまじい雷と大雨が一緒にやってきました。若者は驚いて一目散に山を逃げ出しました。村人たちは若者の話を聞いて「そんなばかなことがあるものか」と笑いました。2、3日たって、村人の一人がその山にはいったところ、やはり雨に降られて逃げ帰りました。こんなことが繰り返されているうちに、いつしか雨ふり山と呼ばれるようになりました。
言い伝えの看板を
郷土のことをもっと知ろうと、2年前、雨ふり山の言い伝えを書いた看板を現地に立てた「ふじもとみどりの少年団」。
みどりの少年団の武口美由紀(たけぐちみゆき)さん(大渕二小6年)は「地元にもこんなおもしろい言い伝えがあったんだなあと知り、改めて郷土のことに興味を持ちました」と語っていました。
- 図表あり -
- 写真あり -
( 写真説明 ) 武口美由紀さん