原付及び自動二輪車などの交通事故が年々ふえています。
まず、上のグラフをご覧ください。
このグラフは、昭和54年から昨年までの原付及び自動二輪車の事故件数(死亡者数)の推移を表わしたものです。これらによる事故件数は、昭和54年には313件だったものが、昭和58年には517件と大幅にふえており、この中で特に目立つのが、50cc以下のいわゆる小型バイクといわれるものの事故です。
小型バイクだけの事故件数を見てみると、昭和54年に217件あったものが、昭和58年になると355件と急激な増加をみています。
このことは、当然のことながら小型バイクの普及と関連しているといえます。3ページ上のグラフをご覧ください。これは、市内における原付及び自動二輪車の保有台数の推移を表わしたものです。
その中で特にいえることは、50cc以下の小型バイクの大幅な増加がみられることです。昭和54年度には1万8,000台だったのに対して、昭和59年度には2万8,000台と1万台もふえています。
“小さくて手軽に乗れる”という便利さから、小型バイクの利用者が年々ふえ、最近ではそのファッション性が受けて主婦や若い女性にも広く利用されています。反面、利用者がふえるにつれバイクにかかわる事故もふえているわけです。
小さなバイクだからといって、事故が小さいとは限りません。人身事故がたくさん起きており、特に女性の事故が目立っています。
さらに小型バイクについては、免許証が簡単に取れるということから、経験の浅いドライバーがふえ、事故につながっているともいえます。
多い交差点での出会い頭事故
では、これらのバイクの事故形態についてふれてみましょう。
富士警察署の調べによると、最も多いのが交差点での一時停止を怠った出合い頭の事故です。この場合、信号機のないいわゆる中、小規模での交差点が目立っています。信号機のない交差点では必ず一時停止をし、安全確認をしましょう。また、交差点で右折するときは、直進する対向車にも気をつけましょう。
次に多いのが自宅の敷地や会社の敷地などの、いわゆる道路外から道路へ出たときの事故です。この場合もやはり、安全確認を怠ったために起きてしまったというものです。
次が右、左折時における事故です。
これらの事故は、いずれも一時停止や安全確認を怠ったために起きていますので、十分注意しましょう。
また、事故を起こしたときにヘルメットをかぶっていなかったため、転倒した際道路に頭をぶつけて大きな事故につながっているというケースも多くあります。小型バイクといえども、乗るときには必ずヘルメットをかぶる習慣をつけましょう。
また、スピードの出し過ぎは大きな事故につながります。
小型バイクの制限速度は30キロです。制限速度を守りましょう。
交通マナーのレベルアップを
事故防止について、富士警察署の新川(あらかわ)交通課長は次のように語っています。「今日、交通マナーの低下は事実です。その中で、『私ぐらいは…』と悪い風潮をまねしてはいけません。
交通マナーを守るということは、他人に迷惑をかけないことであり、譲り合いの精神を持つことです。
これらを守ることによって当然事故も減るし、交通マナーのレベルアップにもなります。ドライバーひとりひとりの心がけが大切ですね…。」
- 図表あり -
( 図表説明 ) 市内の原付及び自動二輪車の事故件数(死亡者)年度別推移(生活安全課調べ)
( 図表説明 ) 市内の原付及び自動二輪車の保有台数(市民税担当調べ)
- 写真あり -
( 写真説明 ) 目で見た大型車の内輪差1.2.3.4.
( 写真説明 ) 市立大渕第一小学校の児童1,400人は、実物の大型トラックと人形を使った交通安全教室で、トラックの左折時による巻き込み事故を学びました。上の写真1〜3は同じ場所から見たトラックの内輪差です。トラックが左折するとき、前輪では相当の距離があるのに、後輪ではひかれてしまった人形を見て児童たちは、驚きの声をあげました。