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【広報ふじ昭和59年】ふるさとの昔話

砂山のお地蔵さん

 鈴川、砂山の坂の途中の左側に小さなお堂があります。このお堂の中に、高さ50センチメートルほどの石のお地蔵さんがおさまっています。このお地蔵さんは、かつては人を化かしたり、あばれ地蔵だという評判でしたが、その後、人の願いをよく聞いてくれるお地蔵さんとして地域の人たちに親しまれています。


人を化かす地蔵さん

 昔々のある闇(やみ)の晩。吉原湊(みなと)へ着いた二人の船頭が、元吉原の宿場まで行こうとしましたが、道が暗くて困っていました。
 すると前の方から紺(こん)がすりを着た小僧がやってきて「こっち、こっち」というので小僧のあとについて行きました。ところが小僧の姿はいつの間にか消えて、二人は葦(あし)の生えているドブの中をザブザブ歩いていました。ようやく気がついてドブの中からはい出した二人は、「あに小僧め、地蔵が化けていたに違いない。畜生め!」と悔しがりました。
 こんな人を化かす話も伝えられているお地蔵さんですが、いつのころからか、このお地蔵さんは、人の願いをよく聞いてくれるお地蔵さんだというので参詣(さんけい)する人が多くなったということです。


いいなり地蔵さん

 砂山に住む鈴木和嘉雄(わかお)さん(83歳)は、「この地蔵さんはね、人のいうことをよく聞いてくれるもんで『いいなり地蔵』と呼んでいるよ。毎月23日は地蔵さんのお祭りで、わしらが子供のころは露店が出て、大層にぎわったね。今は店はでないけんど、お供(そな)え物を上げたり、近所の年寄りが集まって世間話に花を咲かせたりしているね」と語ってくれました。

- 写真あり -
( 写真説明 ) 鈴木さん
添付ファイル
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