40歳代から急速に増加する成人病。
平均寿命が伸び高齢化社会を迎えつつある我が国にとって、その対策は今や国民的課題ともいえます。この成人病について、川成島の主婦 平田和子さんに市健康課からレポートしていただきました。
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( 写真説明 ) レポーター 平田和子さん(46歳)主婦 川成島
がんが死因のトップ
人間の体は年をとってくると だれでも老化現象を起こします。たとえば皮膚のつやがなくなり、髪の毛がうすくなったりするのも老化現象です。
この老化現象にともなって起こる病気、これが成人病です。この成人病は40歳代から急激にふえています。
脳卒中とか狭心症や心筋梗塞などの心臓病、あるいはがん、糖尿病などがそれです。過去においては結核が死亡原因のトップを占めていましたが、いまはがん、脳卒中、心臓病が死亡順位の第1位、第2位、第3位を占めています。
市内でも昨年1年間に259人の人ががんで亡くなり、死因のトップとなっています。次いで多かったのが脳血管疾患の241人、心疾患の194人と続いています。
これらの成人病だけで実に死亡者数の60パーセントを占めているそうです。特に目立つ特徴としては、肝硬変の死亡率が全国と県の平均を大きく上回っていることです。
成人病の予防対策としては、早期発見、早期治療がきめ手です。
このため、市では成人病予防の検診などいろいろな施策をきめ細かく実施しています。
その主なものとして、市内を検診車が巡回する「循環器検診」及び「胃がん検診」。循環提検診では30歳以上の人が、胃がん検診では35歳以上の人が対象となります。
このほかに、30歳以上の女性を対象とした「子宮がん検診」を市内の各産婦人科医院で、40歳以上の人を対象にした「一般診査」を市内の医療機関で実施しています。
これらの検診によって早期に発見されたため、早期治療ができ大事に至らなかった例も少なくないようです。自己診断でなく、積極的にこれらの検診を受けることが、成人病を予防する上で大切なことです。受診については、例えば誕生日とか結婚記念日など、年に1度日を決めて受けるのも1つの方法だと思います。
早期発見早期治療を
先にも述べたように、成人病は老化と深いかかわりがありますがその直接のきっかけは、日常生活の不健康に基づくところが少なくないようです。日常のちょっとした心掛け、生活態度で充分防げるとのことです。
日常生活の中で心掛けることとしては、規則正しくバランスのとれた食事をとること、ストレスをためないためにも気分転換、趣味を持ち、適当な運動をすることだそうです。
成人病年齢といわれる40歳代は家庭でも社会的にも柱となっている時期です。この年代にもし万が一のことがあった場合、家族や子供たちの生活環境を根底から変え、社会に与える影響も大きいと思います。
昔から厄(やく)年とよくいわれていますが、この年齢がちょうど肉体的に転換期を迎える時期だといえるそうです。
数年前から国や県、市町村が成人病について盛んにキャンペーンなどをしているのを見、聞きします。ふだん、健康な私にとってなぜこんなにやかましくいわれるのだろうと深く考えてもみませんでした。しかし、取材をとおして改めてその恐ろしさというものを認識しました。
成人病を防ぐには、自分の健康はみずからの知恵と努力で作りあげることを前提に、台所をあずかる主婦である私たちの力も大きいと思います。10月10日から16日までは今年から新たに設けられた「40歳からの健康週間です。美しく年を重ねて老いるため、特に成人病に気をつけましょう。