今宮の年中行事に火祭りがありました。このお祭りは昔、今宮地区に毎年のように火災が続いたため、村人たちが村中に火をかざし、災難をはらうために始めたお祭りだそうです。旧盆の3日間を通じて行われたようですが、現在は、行われていません。
3晩連続で火祭り
ずっと昔の話です。今宮では毎年のようにどこかの家が火事になることが続いていました。
それに相次ぐ干ばつで不作が続き村人の生活は大変苦しい状態でした。
そこで村人たちは、「この村で何かの形でお祭りをしよう。」「そしてたたりを除くようにしようじゃないか」と相談しました。
ところが、それから3日後、またも火災が発生し、折からの強い風で大火事となりました。もう、すぐに祭りをしなければなりません。
季節は8月の初めを過ぎ、うら盆が近くやってきます。
いよいよお盆がやってきました。
庄屋は村中にふれを出し、主な老人を通じて各部落に3晩連続の火祭りをするように申し渡しました。
村人たちは村の隅々まで火をかざしたい松をふって、火を清める儀式を行いました。それから1年、昨年まで続いた干ばつもなく、不幸な火災もなくなり、村は平和になりました。
復活させたいお祭り
今宮に住む岡田里美さん(62歳)は「この祭りが行われたのは終戦後2〜3年ぐらいまでだったようだね。いまでは、火祭りがあったことも知らない人が多いじゃないかね。
ここらは伝統行事がないので、ぜひ復活させたいお祭りだね」と語ってくれました。
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