古墳の周囲に巡(めぐ)らされた溝(みぞ)を「周濠(しゅうごう)」といいます。
周濠には、応神(おうじん)・仁徳天皇陵(にんとくてんのうりょう)のように水を張ったものと、市内の「伊勢塚古墳」、「横沢古墳(よこざわこふん)」のように空(から)堀りのものがあります。これは死後の世界と現在のを区別するほか、「墓域(ぼいき)」を示すために掘られたといわれています。市内の古墳には、水掘りのある古墳はありません。
水掘りのある古墳は近幾地方などに多く見られますが、今川の古墳からみれば極く少数です。
近畿地方は、この時代の中心地城であったため、水掘りのある巨大古墳を造ることができる力を持った人々が多く住んでいたようです。富士市は、近畿地方などからみれば、地方の小国でしかなかったわけです。このため水掘りを持つ巨大古墳を造ることができるような支配者がいなかったということです。
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( 写真説明 ) 広見公園に復元された横沢古墳