県道勢子辻吉原線沿い、神戸2丁目に「おまんだらさん」と呼ばれ、地域の人々に親しまれているお堂があります。このお堂は、日蓮宗の開祖日蓮上人を祭るお堂で毎年祭典が行われ、賑わっています。
曼陀羅(まんだら)をかけてお題目
鎌倉時代の話です。ある日、日蓮上人が神戸の部落を通りかかったときのことです。このあたりは日照(ひで)りがひどく、村人は大そう困っていました。みんなでいっしょうけんめい神様や仏様に祈りましたが、雨は降りそうもありません。この様子を見て日蓮上人は「さあ、みなの衆(しゅう)、これをかけてお祈りなされ。」と法華経(ほけきょう)の曼陀羅を書いて差しだしました。
村人たちは、これを楠(くすのき)へ掲(かか)げお題目を唱(とな)えたところ、一天にわかにかき曇り大粒の雨が降りだし、畑の作物がよみがえりました。この日が旧暦6日12日だったそうで毎年祭典が行われていましたが今年から7月の第3土曜日に行われます。
法蔵寺へお迎えに
地元に住む赤渕秀心さん(59歳)は祭の様子を次のように語ってくれました。三ツ倉の法蔵寺に安置されている「お曼陀羅(まんだら)さん」を当番がお迎えにいきます。
時間がくるとお堂に入り、みんなに御開帳されます。
御開帳の時間も昔は深夜の12時でしたが今では9時に御開帳され、終わるとすぐに法蔵寺まで帰ります。
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( 写真説明 ) かつての祖師堂
( 写真説明 ) モダンに建て替えられた祖師堂