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【広報ふじ昭和59年】ふるさとの昔話

大渕曽比奈の逆杉(さかさすぎ)

 大渕の井上(曽比奈)に逆杉(さかさすぎ)と呼ばれる大杉があります。この辺では塔婆(とうば)を逆にたてるのが習慣だそうです。この逆にさした塔婆が根付き大杉となったということです。今回は逆杉のお話しです。


村中で弔(とむら)い

 昔、大渕村井上の貧しい百姓夫婦に体格のよい男の子が生まれ、成長して相撲取りとなって活躍しました。
 息子のおかげて、夫婦の生活は豊かになりました。村人達は、これをうらみねたみました。ところが、息子が突然急病で倒れ、相撲が取れなくなりました。夫婦の生活は、日一日と貧しくなり、あわれな最期をとげました。人をねたみうらんだ崇(たたり)りで村に災難が続きました。そこで、夫婦の家の前に塔婆を逆に立てて村中で弔(とむら)ったところ、前の明るい村にもどりました。この塔婆が根付き大杉となり逆杉と呼ばれています。


宇津木(うつぎ)じんじの木

 代々、この他に住む岩間正樹さん(76歳)は、私が親から聞きついだ話は、少し違うね。と語ってくれました。この大杉はね、もともと字建木(うつぎ)じんじの木(宇津木じいさんの木)と呼ばれててね、今から250〜300年程前、今の群馬県の方から宇津木さんという人が、このあたりに空木(うつぎ)の木を買いにきていたそうだ。ある年大金をもって、大量の木を買い付けに来たとき、金めあての者に殺されてね。この殺され方がむごかったようだよ。これを部落の衆が、杉の塔婆(とうば)を逆に立てて弔(とむら)ってやったんだよ。
 宇津木じんじの怨念(おんねん)もあってか、塔婆が根付いて大杉となったんだよ。

- 写真あり -
( 写真説明 ) 岩間正樹さん
添付ファイル
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