富士市 FUJI CITY Official Site

富士市
広報ふじ > 昭和59年 > 昭和59年2月25日 382号 > 【広報ふじ昭和59年】特別養護老人ホーム天間荘

【広報ふじ昭和59年】特別養護老人ホーム天間荘

全国2番目の施設 ボケ老人専門の老人ホーム4月開所

症状を見極めお世話します

 朝食を済ませたすぐその後で、突然「朝ごはんをまだ食べてないよ」と言いだしたりする。
 このような痴呆症のお年寄りを入所させて、生活のお世話をする施設「特別養護老人ホーム天間荘」が、4月1日の開所を目指しています。
 痴呆老人を専門にお世話する施設は、県下初、全国でも2か所めです。


●病院と直結した指導
 富士市は、国、県と比べ高齢化率は多少下まわりますが、昭和75年には人口の13.4パーセント、昭和90年には人口の20パーセントになると予想されています。
 この高齢化社会に対応する老人対策のひとつとして、痴呆老人専門の「特別養護老人ホーム天間荘」が、鷹岡病院の西隣りにできます。
 天間荘は、社会福祉法人信愛会が運営し、建物は、痴呆症特有のふらふら歩くことを考え、楕円型回廊式の建物にします。
 日常生活にしても、鷹岡病院と直結した施設ですから、入所の時お年寄りの症状により、医師から指導書が出され、それに基づいて寮母と指導員が処遇を考え指導していきます。
 一方、家族とは常に連絡をとりながら、一般的になおらないと言われている痴呆老人ですが、指導することによって改善されますので、お年寄りの幸福を考えながら運営していきます。


●入所は民生委員か家族が申請
 痴呆老人は、市内に200人ぐらいいて、そのうち40人が重症だと考えられています。
 入所するには、市福祉課へ家族か、民生委員に申請してもらいます。その後ケースワーカーが訪問調査し、専門医とも相談して調査票をつくり、県の全体調整会議で決定します。
 入所してからの個人負担額は、本人の収入(年金等)と同居の親族の収入を考慮して決定します。
 例えば、住民税が免除されている家庭は0円、所得税が4,800円以下の家庭は6,000円から、最高所得税が150万1円以上の家庭は経費の全額まで各段階に分かれています。


●短期保護事業もやります
 痴呆老人を介護している家族が、病気、事故、冠婚葬祭などで一時的に介護ができなくなった場合に、お年寄りを一時お預かりする「短期保護事業」も行います。
 そのためのベッドも6ベッド確保し、期間は原則的には1週間以内ですが、事情によっては2週間を限度とした延長の相談にも応じます。
 負担していただく費用は、1日1,500円、ただし、生活保護世帯やこれに準ずる世帯は免除されます。
 お年寄りの送り迎えは、市の移送車が利用できます。
 申込み先は、市福祉課老人福祉係へ 電話番号 51-0123 内線 233

施設規模

◇定員  50人

◇建物  鉄筋コンクリート2階建、楕円型回廊武 居室14室、機能回復訓練室、静養室、食堂及びデールームなど、延2,017平方メートル

◇総事業費 4億5,500万円

- 図表あり -
( 図表説明 ) 天間荘完成予想図

- 写真あり -
( 写真説明 ) 完成までにもう少しの天間荘

介護はたいへんですね

近藤玉枝さん(58歳)四ッ家
- 写真あり -

 ボケ老人のことが社会問題化している時、鷹岡に建設中の「特別養護老人ホーム」にはたいへん期待しています。うちのおばあさんも預かっていただきたいですね。
 おばあさんは、昭和56年ごろからボケがひどくなり、夜になると起きてわめいたり、外にでていってしまったり、捜したこともよくありました。
 食事をして10分もたたないうちにまだ食べてない。家の嫁はくれるのをおしんでいる、などともよく言われました。
 夜も3回はトイレに起こしますし、日中も目が離せません。
 一番困ったのは、主人が入院したときです。病院には行かなくてはなりませんし、おばあさんの介護もしなくてはならないし、親戚の人に応援してもらいましたが、まさに生地獄のようでした。
 介護している自分自身は、寝不足になり、目にケイレンがきます。ビタミン剤なども服用していますが、心身ともに疲れ、自分が寝込んでしまいそうです。

ボケの60%は予防できます

 ボケ症状は、老年痴呆と脳血管性痴呆に大別されます。
 老年痴呆は、70歳以上のお年寄りに多く見られ、脳神経細胞の急速な変性(化)、減少によるもので根本的な原因については、まだよくわかっていません。
 一方、脳血管性痴呆は、脳の神経細胞に栄養を送っている血管系に障害がある場合に起こり、ボケ症状の約60パーセントを占めています。
 このタイプのボケ症状は、早期に適切な治療と看護を行えば、日常生活に支障のない程度に回復させることができます。ということは、脳血管性痴呆は予防できるボケ症状であるといえます。
 予防策としては、何といっても血管を老化させないことです。
 そこで、血管の若さを保つにはどのような点に気をつけたらよいか予防のポイントを挙げてみましょう。

◎何よりも高血圧を予防することです。第一に塩分の摂取量を減らす。第二に血管の栄養源である良質のタンパクを十分に取る。第三にすでに血圧の高い人は医師に相談して、血圧をコントロールする。

◎肥満は心臓への負担を大きくし、高血圧や動脈硬化の誘因になります。食生活を改善しましょう。

◎適度な運動は、血液の循環をよくし、新陳代謝を促しますので、血管の弾力性を高め、全身的な老化を防ぐためにたいへん有効です。あなたもスポーツを楽しみましょう。
添付ファイル
※PDFを初めてご覧になる方は、ソフト(Adobe Reader)のダウンロードが必要です。
「Get Adobe Reader」のボタンをクリックし、説明に従いAdobe Readerをダウンロードして下さい。
Get Adobe Reader
広報広聴課 (市庁舎8階北側)
電話:0545-55-2700 ファクス:0545-51-1456
メールアドレス:kouhou@div.city.fuji.shizuoka.jp
〒417-8601 静岡県富士市永田町1丁目100番地 電話 0545-51-0123 ファクス 0545-51-1456
E-mail kouhou@div.city.fuji.shizuoka.jp