【広報ふじ昭和59年】新幹線富士駅の実現を
富士市民をはじめ関係する地域のおおぜいの皆さんが新幹線富士駅の実現に大きな期待をよせています。
そこで、この特集号で新駅設置にむけて現在までの状況をお知らせします。
これを実現するためには、皆さんのご理解とご協力が必要です。この問題をみんなで一緒に考えましょう。
新幹線富士駅はなぜ必要か
この答えは、だれにもすぐわかることです。
富士市は、秀峰富士の南麓が駿河湾にひらけた景勝の地にあたり、昔から地場産業の紙・パルプを中心に栄えてきました。
そして、今では県下屈指の工業都市として、交通網の発達をうながし、鉄道、道路の大動脈が東西を横切り、また、富士山周辺をはじめ甲信越の産業観光と直結する身延線や大月線の表玄関となっています。
また、田子の浦港からは、富士箱根伊豆国立公園の西伊豆とカーフェリーで結び交通の要所です。
しかし、21世紀に向けて産業・経済・観光などあらゆる面で、一大拠点都市として新たなまちづくりを進めるためには、全国を結ぶ新幹線富士駅の設置がぜひとも必要です。
そこで、これらの課題を拾ってみると−
(1)富士市が将来この地方の中心都市となるためには、周辺市町村との関連を一層探め、あらゆる面でさらに中核都市としての体裁を整えていかなければなりません。そのためには、やはり新幹線の停車が必要です。
(2)活気のある都市には、毎日おおぜいの人が集まってきます。そして、市民の動きも活発です。
こうした人々の足を確保するためには、道路網の整備にあわせて新幹線の駅を設置し、広域的な公共交通サービスの向上をはかっていくことが必要です。
(3)産業経済活動は、広域化しています。それに対応するためには、新幹線の停車によって、さらに交通条件をよくし、新たな産業を含めた地域経済の活性化をはかっていくことが必要です。
(4)将来、大学など教育研究機関の誘致や病院など医療施設を充実していく場合、人材の交流が盛んになります。その際、交通の利便さが重要になってくるのはもちろんです。そのためにも、新幹線の駅を設置しておく必要があります。
(5)まわりに観光地をひかえた産業のまちとして、ビジネスや観光のために訪れる人の数も年々増えてきます。
これらの人々の足は、やはり新幹線停車の利便性が 大きな要素です。
このチャンスに新幹線の駅を!
(1)58年10月の臨時国会で、新幹線鉄道整備のための法律が一部改正され、国鉄等に対する地方公共団体の財政負担が可能となり、新駅設置の道がひらかれました。
(2)国鉄は、昭和62年4月をめどに、新幹線を運転管理するコンピューターを更新し、大幅なダイヤ改正をすることが予想されます。このチャンスに駅を設置することは、私たちの使命です。
(3)富士市が将来、産業・経済・文化等あらゆる面で、中核都市として飛躍的発展をとげるためには、大学や研究機関等が当然必要になってきます。
その際、学者やおおぜいの人達が交流するには、やはり新幹線駅の設置が欠かせない要件となるわけです。
こうしたことはあらゆる面で言えることで、いま新駅を設置することが有形無形のはかり知れない利益を得ることになります。
過去の反省もふまえてこのチャンスをしっかりつかまえましょう。
富士市に新幹線がとまったら!
○どこへ行くにも三島や静岡で乗り継ぐ不便さがなくなり、そのぶん所要時間が短縮されて、仕事や旅行もより便利で快適になることでしょう。
○交通条件が整備され、施設や産業の立地条件がよくなって、新しい施設や産業の誘致が容易になるでしょう。
○産業経済活動が活性化し、新たな取引関係や合理化が促進され、既存産業の振興育成も期待できるでしょう。
○まちに活気がみなぎり、地方中核都市への道がひらけるでしょう。
新駅の必要性…90%を上回る
新幹線富士駅設置運動をすすめるため、新幹線富士駅設置に何を期待するか。また新幹線利用の将来動向をつかむため、富士・富士宮・芝川・富士川・蒲原・由比・富沢・南部・身延の2市7町の住民の皆さんと、富士地区2市1町、庵原3町の事業所を対象に、58年1月14日から1月31日までの間にアンケート調査をしました。
- 図表あり -
( 図表説明 )◎新幹線富士駅設置に期待する内容
( 図表説明 )◎新幹線富士駅がないための不便さに対する意識
( 図表説明 )◎新幹線富士駅の必要性に対する意識
新幹線富士駅がないために不便を感じている人は、個人・事業所とも88パーセントを上まわり、新幹線富士駅の必要性は、個人・事業所とも90パーセントを上まわっています。また富士駅設置に期待する内容は、個人では、友人等との往来に便利になる。事業所では、従業員の出張や来訪者のために便利になる、地域の産業経済の向上が期待できるなどが上位を占めています。
工事費は2面4線で178億円 6線で217億円
みなさんのご意見を
新幹線富士駅設置について、57年6月国鉄から技術的に駅をつくることは可能であると発表されました。
これを受けて市は、富士駅設置基本構想計画をつくるため、コンサルタントに調査を委託し、この報告書の中で、新駅設置に必要な工事費は2面4線で概算178億円(2面6線では217億円)と報告されています。
しかし、市はいまぜひともやらなければならない大型事業が山積していますが、新駅設置事業は、他の事業に多少の影響はあっても富士市百年の大計を考えたとき、何としてもいま成しとげなければならない事業といえましょう。そして、巨額の財政負担をどうするか今後の課題でありますが、21万市民の英知を結集してこれを解決していかなければなりません。
こうした状況にありますので、皆さんから積極的なご意見、ご質問をお寄せくださるようお願いします。
〈問い合わせ先〉 市企画課 (電話51-0123 内線522〜524)
- 図表あり -
( 図表説明 ) ◎ホーム予想図 2面4線
新幹線富士駅設置運動のあゆみ
昭和46年6月、富士市町内会連合会理事会で、新幹線富士駅誘致の運動がおこりました。同年11月には、町内会の代表21人により「新幹線富士停車駅促進準備会」が結成され、住民に運動に対する協力の呼びかけが行われてきました。そして、さらにこの輪が広がり、同年12月には、富士・富士宮・芝川・富士川の2市2町の町内会代表47人により「新幹線富士駅設置促進準備会」がつくられ、国鉄や国会議員などに陳情が行われてきました。また、市当局並びに市議会では、これら住民運動に対応して昭和46年から50年までは「富士地区総合開発期成同盟会」で、昭和51年から55年までは「富士地区広域市町村圏協議会」で国鉄や関係機関に陳情を重ねてきましたが、ここでは「東海道新幹線富士駅設置促進期成同盟会」の動向をお知らせします。なお期成同盟会では、毎年国鉄当局や衆・参国会議員、関係機関に富士駅設置のための陳情を続けています。
- 図表あり -
( 図表説明 ) 西伊豆へ
( 図表説明 ) 甲信越へ
まちに活気がでる
小林卯作さん(62オ) 橋下
- 写真あり -
新幹線富士駅が実現するといいねェ−。
富士市は、工業都市として発展してきているが、新幹線が停車することによって観光、商業も発展し、多目的な都市になると思うよ。
人の流動が多くなれば、当然まちに活気がでてくるしね。
大学誘致の可能も
本人の希望により、氏名は非公開
子育て中の母親としては、間接的ですが、新幹線が停車すれば大学誘致の条件がよくなると思います。
そして、富士市に大学ができれば子供の教育に随分プラスになるし、教育文化都市に発展すると思います。
又、年に何回か里帰りするときにも便利になります。
観光地の表玄関に
西村積善(かずよし)さん(48オ)美原町
- 写真あり -
旅行会社にいる関係上、痛切に感じることは、新幹線駅がないために現在の旅行形態の多様化についていけないということだね。又、世界的な富士山があることで観光地の表玄関にもなると思うよ。都市づくりは、交通機関の整備がまず第一歩ではないかな。
添付ファイル
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広報広聴課 (市庁舎8階北側)
電話:0545-55-2700 ファクス:0545-51-1456
メールアドレス:kouhou@div.city.fuji.shizuoka.jp