私たちの郷土、富士市の誇りは、なんと言っても日本一の富士山です。富士山にまつわる話しは、昔からいろいろ言い伝えられています。この富士山の話をまとめた本、おさなごに聞かせたい「富士山のはなし」の中から、ひとつ紹介します。
姉さん思いの駿河富士
ずっと昔、駿河の国の富士山と、下田の国の富士山とは姉妹でした。
下田の富士山がお姉さんで、駿河の富士山が妹でした。
二人は小さい頃から仲良しでしたが、お姉さんの下田富士はあまり美しくありません。妹の駿河富士は「ほんとうにきれいだ。」とみんなにほめられていました。それを聞いて、下田富士は天城山の山陰にかくれてしまいました。
姉さん思いの駿河富士は、姉さん恋しさに毎日毎日背のびをして、その度に背が高くなりました。
こうして駿河富士の方が姉さんより背が高くなったという評判が広まると、あちこちの山が「負けるものか。」と背くらべをしました。
津軽の富士、八丈の富士、磐梯(ばんだい)山白根山と次々に背くらべをしましたがみんな負けてしまい、駿河の富士は日本一のお山になったとさ。
この本の編集委員の一人、西野さんは、富士に生まれ育った子どもたちが、将来“富士山と共に育ったんだ”と心に残ればとの願いをこめ編集したそうです。
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( 写真説明 ) 学校教育課指導主事 西野七六九(ひろこ)さん