私たちの住むまちを、きれいなまちにするか、しないかはあなたの心掛け次第です。市民一人ひとりの、ちょっとした気くばりで、美しいまちにもなるし、汚れた住みにくいまちにもなります。
9月21日から27日までは「環境衛生週間」。私たちの身近かな、ごみ・家庭排水・空かん・たばこの投げ捨て、衛生害虫について市民のみなさんとともに考えてみましょう。
清潔で住みよいまちをつくる主役は、あなたです。
●ごみの減量・資源化
市内で出る家庭ごみの量は、1日約140トン、一人あたり700グラム、年間では250キログラムにもなります。
これに対して、ごみの処理費用は昭和57年度が8億6,000万円を要し、一世帯分のごみを処理するために年間1万4,500円を費やしています。
ごみを速やかに、しかも衛生的に処理するためには、高度な処理技術を必要としますが、やはりなによりも、ごみの適切な出し方、減量努力が大きくものをいいます。
特に、夏場のごみは水分が多いため、その処理に困っています。
市は今後、生ごみの堆肥化バケツを推奨して、可燃ごみの減量をはかる予定です。
また、昭和56年から始めたごみの分別収集では年間、3,600トンのかん・びん類など有価物が回収され、売上げは2,000万円に迫りました。
これによって埋立される不燃ごみも半減し、埋立地の長期利用に効果をあげています。
●衛生害虫の駆除を
ネズミ、カ、ハエなど衛生害虫の害なんて、大したことはないと思うかもしれません。
確かに最近では、カ、ハエなどは私たちの身の回りから急速に減っています。
しかし、油断は禁物。生活様式の変化に伴い、これら衛生害虫の生息形態も変化しているのです。
例えば、ゴキブリやユスリカなどは、冬でも暖房の影響で発生するようになりましたし、意外なことにシラミやノミ、イエダニといった害虫は年ごとに増えているのです。
こうしたことから駆除の考え方も伝染病予防の観点から、不快害虫の駆除へと重点が移りつつあり、新たな対応が安求されるようになっています。
実際の駆除にあたっては、虫の生息しやすい場所(温度、湿度が高く水や食物がある暗い場所)に駆除剤を繰り返し散布することが効果的です。
●空かん・たばこの投げ捨て防止
ごみの散乱は、人に不快感を与え公衆衛生上、多くの問題を生じさせていますが、とりわけ空かんのポイ捨ては大きな社会問題になっています。
この散乱空かんは、全国で1年間に約10億個も発生し、累積では20〜30億個になるだろうと推測されています。
市内でも国道1号バイパス・県道吉原勢子辻線の道路沿い・田子浦・元吉原両海岸・愛鷹堂山道といった場所が空かん汚染の危機に瀕しています。
不特定多数の人々が、心なく投げ捨てた空かんは現在、各自治体により様々なアイディアを駆使して回収されたり、少数のボランティアや住民の手で回収されています。
散乱空かんを一掃するためには、やはり一人ひとりが「ごみは投捨てないで持ち帰る」といった心掛けが最も大切なことではないでしょうか。
また、道路に平気で、たばこの吸いがらを捨てる人をよく見かけますが、まちを汚すばかりか火災予防のうえからもやめましょう。
●水洗トイレの排水は大丈夫!
近年、生活水準の向上にともないトイレの水洗化は急激に進んでいます。
なかでも公共下水道が完備していない地区では、し尿浄化槽が水洗化の担い手として活躍しています。
特に、昭和52年以降に設置されたし尿浄化槽は、市内の総設置数(2万基)の半数を超え、これにより市民の約7割が水洗トイレを使用するようになりました。
そこで問題となってくるのが、浄化槽の維持管理です。
浄化槽は、ご存知のとおりバクテリアの生物作用により浄化機能が保たれていますが、誤った使い方をすれば、し尿が未浄化のまま放流されることになります。
家庭排水が河川、湖沼に及ばす影響は最近では工場排水に匹敵するとまで言われています。
浄化槽の維持管理は法律で設置者に義務づけられていますから、年4〜6回の保守点検と年1回程度の清掃は必ず専門業者に委託し、怠りなく実施してください。
◇みんなできれいなまちを
清潔できれいなまちをつくるには、美化活動と美化意識の醸成が必要とされています。
家庭、周辺の道路、側溝河川などの環境美化は、市民一人ひとりが身近かな問題として取り組み、心と体で実践し、その輪を広げていくことが大切です。富士山にまけない、清潔できれいなまちを、市民と行政が一本となってつくりましょう。