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【広報ふじ昭和58年】8月8日の地震により 全世帯が断水

県東部全域で長時間停電

 去る8月8日午後零時48分ごろ、神奈川県西部を震源地として大きな地震が発生。この地震によって東海道線、新幹線が不通となり、静岡県東部全域にわたって長時間停電しました。市内では、この停電によって5万6,000世帯が断水となり、市民のみなさんに大変ご迷惑をおかけいたしました。



8万9,000トン/1日平均の地下水を

 私たちが日常生活で使っている水は、そのほとんどが富士山ろくの良質な地下水によるものです。市は、この地下水を汲みあげ、全世帯の86パーセントの家庭に上水道として送っています。その量は、1日平均約8万9,000トン。これを1人平均にすると約484リットルになります。これらの地下水は、岩松、国久保、久沢、大渕などにある48本の井戸から、水中ポンプによって汲みあげられています。汲みあげられた地下水は、滅菌され送水ポンプで高台にある配水池に送られ、そこから自然流下方式により各家庭に供給されています。
 配水池から各家庭へ送る配水管の延長は、各戸の給水管を除き、72万メートルの長さとなり、これは富士駅から広島駅の手前までの距離に当たります。


水道施設が完全にストップ

 このように富士市の上水道は、地下水を水中ポンプで汲みあげているため、取水はすべて電気に頼っています。したがって、停電になるとポンプが作動しなくなり、地下水を汲みあげることができなくなってしまいます。過去の部分的な停電では、他の配水池から水を送ることもできましたが、今回のように全市的な長時間の停電となると、断水という事態にならざるを得ないのが現状です。
 今回の地震に対して、市水道部では停電と同時に、61か所の配水池に職員を配置し、タンクの水位を見ながら対応しましたが、配水池を空にできないため、配水池のバルブを閉め断水としました。もし、そのまま配水を続けた場合、配水池ばかりでなく配水管までが空となってしまいその後の給水の復旧にたいへん手間取ることになってしまいます。
 また、市民のみなさんから「電気は来たが、まだ水が出ない」などの問合せを多くいただきましたが、通水までには、水中、送水ポンプの故障の有無や配水池の貯水状況を見ながらまた、配水管内の空気抜き作業などがあって、相当の時間がかかりました。

停電による断水対策は...

 今回のような停電による断水対策として、自家発電装置の設置ということも考えられますが、これには多額の費用がかかり、さらに土地の確保も必要となります。現在、市水道部では、これらのことを含め、その対策を検討中です。
 家庭においては、長時間の停電が予想される場合は水の確保や節水などに心がけていただくことも大切です。
 また、今回の場合、マンション等で停電後の上水道の扱い方について多くの問合せがありました。
 3階以上の高層ビルなどで、受水槽を設置してあるところでは、停電するとポンプがストップしますので必ずスイッチを切ってください。スイッチを入れたままにしておくと、ポンプの故障につながります。
 停電が解除された場合は、受水槽の水を確かめてからポンプのスイッチを入れてください。
 今回の断水は、全市的な停電ということにより、水道施設がストップしたため起きたものであり、多くの市民のみなさんにご迷惑をおかけしました。

- 図表あり -
( 図表説明 ) 給水方式

- 写真あり -
( 写真説明 ) 停電により信号機もストップ
添付ファイル
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