◎相続と税金
相続税は、相続や遺贈(遺言によって財産を譲ること)によって亡くなった人(被相続人)の財産をもらった人(相続人)が負担する税金です。
この相続税は、相続や遺贈による「正味の遺産額」が、「基礎控除額」を超える場合に、その超える額(課税遺産額)に対して課税されます。
正味の遺産額とは、被相続人の遺産の総額から非課税財産(墓所、仏壇、死亡保険金や死亡退職金のうち法律で定める一定の金額までのものなど)や被相続人の債務や葬式費用を差し引いたものです。
基礎控除額とは、2,000万円と400万円に法定相続人数を掛けた金額との合計額です。
相続税の申告は、被相続人が死亡した日の翌日から6か月以内に、被相続人の住所地の税務署へ提出することになっています。
◎贈与と税金
贈与税は、個人から財産をもらったときにもらった人が負担する税金です。
贈与税は、相続税の補完税といわれ、相続した人には相続税がかかりますが、生前に贈与が行われるとそれだけ相続税が軽くなり、不公平が生じることになります。
贈与税は、これを是正する働きをしています。贈与税の基礎控除額は、60万円ですが、夫婦間の贈与については一定の要件に当てはまれば、配偶者控除として最高1,000万円が基礎控除のほかに差し引かれます。
この他、特別障害者に対する贈与税の非課税制度もあります。
親子や夫婦などの間で「ある時払いの催促なし」とか「出世払い」といったような金銭の貸借をした場合で、実質的に贈与と認められるものは、贈与税がかかります。