愛鷹山南麓に延びる台地上には、5世紀ごろ造られたと考えられる東坂古墳があります。この古墳は、昭和33年に調査され、鏡(かがみ)・石釧(いしぐしろ)などと共に勾玉(まがたま)・管玉(くだたま)・臼玉(うすだま)・小玉(こだま)などが出土しました。
これらの玉類は、蛇紋岩(じもんがん)やガラスなどから作られていました。勾玉は縄文時代中期(約5,000年程前)にもみられ、動物の牙・土・石などによって作られています。古墳時代(約1,500年程前)になると蛇紋岩(じゃもんがん)・瑪瑙(めのう)・水晶(すいしょう)・琥珀(こはく)など、美しい緑色に近いものが好まれたようです。
これは、緑を生命力の色とする古代信仰に基づくものといわれています。また、その形は人間の臓器であるとか、昆虫を模倣したとする説があるようです。
人物埴輪の男女の頸には他の玉類と共に、頸飾として使われていることから、その用法がわかりました。
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( 写真説明 ) 東坂古墳出土のくび飾り