石川佳子(けいこ)さん(28歳・主婦)と恭兵(きょうへい)くん(3歳)
- 写真あり -
新しい年度に向けて、市はどんな計画を持っているでしょうか。市議会の3月定例会に市長の施政方針と58年度予算案が提案されたそうですね。
私たち市民生活と直接関係のあることですから、市議会を傍聴すればよいのでしょうが、なかなかそれもできません。それで、内容をわかりやすく教えてもらえませんか。(大渕1丁目 石川佳子)
……というわけで新年度の主な計画をイラストでお知らせします……
●いのちと健康を守るために 83億5,025万円
・保健・医療 65億720万円
・救急 9,997万円
・公害防止 2,975万円
・交通事故防止 1億7,253万円
・火災防止 2億5,645万円
・災害防止 12億6,023万円
・災害普及 2,409万円
- 図表あり -
( 図表説明 ) 新市立病院の建設と医療機器に46億6,667万円
( 図表説明 ) 公害防止に2,975万円
私は、市民参加による市民生活最優先のまちづくりを基本として常に市政運営にあたっています。
新年度を迎え,市民の誰もがここに住み、働き、憩うことを喜びとする人間尊重のまち「生産と生活が調和する産業文化都市」の建設にむけて、一層努力していく決意です。
新年度の方針を語る 渡辺富士市長
- 写真あり -
― ゆとり・生きがい・福祉と豊かな文化を ―
昭和58年度施政方針の要旨
心のかよう福祉と文化の風土づくり
人間的な住みよい快適なまちは、市民と行政がともにつくりあげていくことが必要です。
ことに人口の高齢化がすすむなかで、それの対応は重要な課題です。このため、高齢化社会における環境整備のあり方に視点をおき、高齢者の生活、健康、福祉、生きがい、社会参加や、地域での取り組みも含めた具体的対応を考えていきます。
芽ばえ、育ちつつあるボランティア活動やコミュニティ活動を助長すると共に、福祉施策の充実、障害者福祉のまちづくりのための事業を推進し、心のかよう福祉の風土を大きく育てていきたいと考えています。
一方、経済の時代から文化の時代へという大きな流れのなかで、地域の伝統や特性に目が向けられはじめ個性や魅力のある地域社会を市民自らの力で築きあげていこうという市民運動が活発にすすめられています。
富士市をきれいにする市民運動もその輪を広げていますし、富士市民憲章制定市民会議を中心に、市民による手づくりの憲章づくりがすすめられています。
また、新年度は美しい都市景観を目指し、中央公園に隣接する臨港富士線交差点の歩道に「街なみの憩」の場を新設します。
また潤井川への新しい橋は市街地を結ぶ象徴的な美しい大橋として完成を迎えますが、こうした富士市にふさわしい文化的な都市美を図るよう、これからも公共施設へ文化の香りづけを行い、文化の風土づくりに努めていきます。
- 写真あり -
( 写真説明 ) 昨年の福祉まつり
( 写真説明 ) 第9合唱の練習風景
●快適で住みよい豊かなまちをつくるため 92億3,919万円
・住宅 5億370万円
・一般市道 13億3,702万円
・都市計画 10億1,941万円
・土地区画・整理事業 15億6,572万円
・上水道 6億6,521万円
・下水道 20憶6,180万円
・清掃 9億1,013万円
・火葬場 2億8,900万円
・公園緑地 7億9,116万円
・みどりと自然 9,558万円
- 図表あり -
( 図表説明 ) 市道整備に10億円
( 図表説明 ) 上水道施設整備に4億1,000万円
( 図表説明 ) ごみ処理施設整備に6億6,000万円
( 図表説明 ) 中央公園に5,000万円
〈市民1人あたりの換算額〉
○市民1人あたりに使われるお金
172,956円
土木費…39,120円
教育費…29,002円
民生費…25,493円
総務費…16,805円
公債費…13,747円
その他…48,789円
○市民1人が負担するお金
108,242円
市民税…48,308円
国定資産税…38,836円
電気・ガス税…10,805円
都市計画税…5,817円
たばこ消費税…3,881円
その他…595円
(人口は58年3月1日現在)
●教育や文化の水準を高めるために 40億2,689万円
・幼児教育 3億140万円
・義務教育 29億2,811万円
・特殊教育 154万円
・高次教育 1億9,070万円
・社会教育 4億350万円
・社会体育 2,090万円
・芸術文化 1億8,073万円
- 図表あり -
( 図表説明 ) 幼稚園就園奨励費補助に1億2,466万円(対象児3,208人)
( 図表説明 ) 公民館新設事業に3億1,699万円(丘・天間地区2館)
( 図表説明 ) (仮称)総合文化会館建設基金積立に6,627万円
( 図表説明 ) 学校用地取得造成事業に15億7,425万円(仮称岩本第二小など6校分)
●豊かな市民の生活を支える産業経済の振興をはかるために 19億8,520万円
・商業 5億400万円
・工業 3億3,590万円
・農業 8億9,999万円
・林業 2億4,479万円
・漁業 50万円
- 図表あり -
( 図表説明 ) 商業金融対策に5億100万円
( 図表説明 ) 公害防除施設融資事業に2,535万円
( 図表説明 ) 水田利用再編対策事業補助に1,360万円
( 図表説明 ) 林業構造改善事業に1億2,300万円
― 活力ある産業文化都市の基盤づくり ―
地場産業をとりまく環境は一段と厳しさを加えていますが、工業立市の私たちのまちにとって、産業経済の振興は市民生活に深いかかわりのある問題ですから、引き続き地域産業の振興を図っていきます。
なかでも、これからの将来を考え活力ある産業文化都市の基盤づくりに向け、東海道新幹線富士駅の設置促進の運動を強力に行います。
新幹線は、今や住民の日常生活にまた地域の産業経済活動はもとより教育文化の交流などへの影響は大きく、富士市をはじめ富士地区、庵原地区さらに山梨県や西伊豆地区にとって、今後の飛躍発展を期するためはは欠くことの出来ない課題です。
この誘致運動は、関係3市20町4村で東海道新幹線富士駅設置促進期成同盟会を結成し、圏域72万住民の期待を背景にした、容易ならざる大事業に取り組むことになります。富士市百年の大計に思いをめぐらし、議員をはじめ市民の皆様の理解と協力をいただきつつ、実現に向けて努力します。
― 行財政事務の刷新合理化 ―
厳しい財政的な制約のなかで、ますます多様化、高度化する行政への市民の要望に応えていくためには、全職員が創意と工夫をこらし、効率化、能率化への努力が極めて重要な要素となるものと考えます。
このため、「富士市行財政刷新合理化推進本部」をつくって、職場からの事務事業の貝直し改善を積み上けながら、行財政刷新合理化運動を図ってきました。新年度はこれまでの改革案を実施に移します。
その主なものは、まず、職員総数を新病院への増員要員を除き、58年度を初年度に向こう5か年間に5パーセント減らすこと、初任給基準や特殊勤務手当等の給与制度の見直し等です。
次に業務の委託化については、公共性が損われないこと、行政責任と市民サービスが確保されること、経済性が発揮されることを基本として新年度は総合運動公園の各スポーツ施設をはじめ、富士体育館や厚原スポーツ公園等の各施設の業務を富士市振興協会に委託します。
今後はさらに、公園の清掃等の業務や文化施設についても、業務の委託化を検討していきます。
また、組織の合理化、簡素化を図るため、課・係の統合整理を行うと共に、職員の流動体制によって、業務の効率化を促進するため、機構の−部を改革します。
一方、住民情報オンラインシステムが、8月から市民課総合窓口で開始され、税関係諸証明の作成交付事務も9月を目標にオンライン処理を行い、窓口での待時間の短縮と事務能率の大幅な改善を図ります。
●こどもや老人等の生活を守るために 65億3,470万円
・こどもと母親 12億865万円
・老人 36億7,863万円
・心身障害者 5億2,826万円
・低所得者 6億3,330万円
・勤労者 5,564万円
・消費者 4億3,020万円
- 図表あり -
( 図表説明 ) 障害者福祉都市推進事業に2,651万円
( 図表説明 ) 児童手当支給に2億8,770万円
( 図表説明 ) 生活保護に6億1,100万円
( 図表説明 ) 勤労者進学資金融資に3,000万円(融資枠1億2,000万円)
( 図表説明 ) 老人保健医療事業に30億円(特別会計)(70歳以上10,300人、ねたきり老人65歳以上200人)
〈58年度予算と57年度予算を比べると〉
- 図表あり -